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ブックマーク / blog.tatsuru.com (9)

  • 大瀧詠一師匠を悼む - 内田樹の研究室

    朝日新聞から依頼があって、大瀧詠一さんの追悼文を書いた。 字数の関係でショートヴァージョンが紙面には掲載されたので、ブログにはオリジナルを掲げておく。 音楽映画について、信じられないほど広く深い知識を持っているだけでなく、ふつうの人は気づかないものごとの関係を見出す力において卓越した方でした。2歳違いですが、久しく「師匠」と呼んでいました。 ツイッターで大瀧さんが手がけた曲の元ネタについてつぶやいたら、数分のうちに「この二つを結びつけたのは地球上で内田さんが最初の人です」と返信をいただきました。うれしかったですね。大瀧さんの元ネタをみつけるのは、ナイアガラーにとって最高の勲章だからです。 一度聴いた曲はすべて記憶しているのかと思うほどの桁外れの記憶力でした。無人島に1枚だけレコードを持って行くなら何にするかという雑誌のアンケートで、大瀧さんは『レコードリサーチ』というカタログの1962~

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2014/01/04
    「朝日新聞から依頼があって、大瀧詠一さんの追悼文を書いた。字数の関係でショートヴァージョンが紙面には掲載されたので、ブログにはオリジナルを掲げておく。」
  • 『学び合い』フォーラム (内田樹の研究室)

    8月8日、9日は新潟に「第四回教室『学び合い』フォーラム2008」の講演に出かける。 『学び合い』というのは上越教育大学の西川純先生が提唱しているきわめて斬新な教育法である。 小中学校において劇的な効果を上げて、今全国の教室に拡がり始めている。 フォーラムはその実践者(およびこれから実践しようとしている)教員たちが日中から集まって、公開ゼミや模擬授業をするというイベントである。 と、わかったようなことを書いているが、そんなことは行くまで知らなかった。 教育現場からのお声掛かりであれば、できるかぎり講演のオッファーは受諾すると言っている手前、引き受けたものの、「この暑い中、新潟は遠いなあ」とぐったりしながらでかけたのである。 行ってびっくりした。 教師たちの集まりにはずいぶんお呼びいただいたけれど、正直言って、聴衆の熱意には天と地ほどの差がある。 ぼんやり講壇を見ているだけで、寝ている人間

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2010/01/18
    「正直言って、読んで「ほんとうにこんなにうまくゆくのだろうか?」と疑問に思った」「しかし、統計的事実は『学び合い』の疑いようのない成果を示しているし、理論的にも瑕疵がない。」
  • 人間はどうして労働するのか - 内田樹の研究室

    『日の論点2010』(文藝春秋)が届いた。 そこに「労働について」一文を寄せている。 こんなことを書いた。 「働くとはどういうことか」 編集部から「働くとはどういうことか」というお題を頂いた。この問いがトピックとなりうるという事実から私たちはさしあたり次の二つのことを推論することができる。 (1)「働くことはどういうことか」の定義について、現在のところ一義的な定義が存在しない(あるいは定義についての国民的合意が存在しない)。 (2)そのことが「うまく働けない」若い人たちが存在することの一因だと思われている。 だが、「働くとはどういうことか」についての一義的な定義や国民的合意が存在しないことを私は特に困ったことだと思っていない。その理路を述べたいと思う。 人間だけが労働する。動物は当面の生存に必要な以上のものをその環境から取り出して作り置きをしたり、それを交換したりしない。ライオンはお腹が

  • just married - 内田樹の研究室

    結婚についての取材がどういうわけか続いた。 先週「週刊SPA」からは「意外と祝福されていない結婚式」という特集の取材を申し込まれる。 少し前の『AERA』に、「ブーケトスは人権侵害だ」という記事が掲載され、「局地的に」大きな話題となったそうである。 ブーケトスの時に独身女を集める「点呼型」、ある一人を呼び出してブーケ贈呈する「名指し型」などがあり、それについて、「独身者をさらし者にする行為」で、「花嫁の自己チュー」「幸せをお裾分けしようという気持ちがおこがましい」というのが「スタンダードな意見」とのこと。 「一生に一度の晴れ舞台に立つ新郎新婦の思いとは裏腹に、列席者が抱いたビミョーな違和感、祝福する気が萎えたエピソードを集めていく」特集の由。 あ、そうですか・・・とやや鼻白んで、ちょっと今回はご容赦くださいとお断りする。 その二日後に今度は『Grazia』から「婚活特集」の取材がある。 こ

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    yyamaguchi 2009/06/17
    「「四海波」御発声は観世流シテ方笠田稔先生(能楽師の結婚式では会の始まりに謡曲『高砂』の一節である四海波を謡うのである。成田美名子の『花よりも花の如く』を読んでいる諸君はご存じであろう)」
  • どこに就職したらいいんでしょう - 内田樹の研究室

    株式市場の混乱で、ついに新卒者の内定取り消しが出始めた。 以下は朝日新聞の報道から。 米国に端を発した金融危機が、大学生や高校生の雇用に影を落とし始めた。ここ数年は「売り手市場」との声さえ聞かれた就職戦線。しかし、「経済情勢の激変」を理由に、一転して内定や求人の取り消しが相次ぐ事態になっている。急速に冷え込む「雇用」に大学や教育委員会は不安を隠せない。 「このまま入ってきてくれても希望の部署にはいけないと思う。あなたのキャリアを傷つけることになるので、就職活動を再開した方がいい」 関西の私立大に通う4年生の学生(21)は先週初め、5月に内定をもらった大手メーカー(東京)から、電話で内定「辞退」を促された。今月初めの内定式で顔を合わせたばかりの人事責任者は、「業績が悪化し、株価も激しく落ちている。会社はリストラを始めている」と付け加えた。 学生にとっては、留学経験を生かせると考えて内定3社の

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2008/10/29
    「こういう景況のときにかえって収益が増加する業種がある。「宗教法人」である。ただ、これはふつう大学には求人票が来ないので、学生たちに就活指導のしようがないのである。」
  • 大学が生き延びるために - 内田樹の研究室

    いつも大学情報を教えてくれるコバヤシさんから、「ちょっとショッキングな話」を教えていただいた。 大阪府吹田市のある大学(気の毒なので名を秘す)に、08年、現代社会学部が新設された。 しかし、来年(09年)、この学部は募集停止になる。 おそらく大幅な定員割れだったと想定される(受験者は20人余。入学者は非公開)。 もう一つ、これも関西のある大学の話。 この大学は08年度から人間教育学部を新設した。 1966年に開学したときの文学部を94年に募集停止して、国際文化学部を設置(文化学科、言語コミュニケーション学科)。02年に情報コミュニケーション学科を設置した。 文学部から国際文化学部への事実上の改組であるが、それも12年しか保たなかった。 06年に国際文化学部が募集停止。そして人間教育学部に衣替えしたのである。 冷たいことを言うようだけれど、この人間教育学部も長くは保たないように思う。 これら

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2008/08/09
    「とりあえず現状を見る限り、「他と違うことをする大学」の方が「成功事例を模倣する大学」よりは生き延びるチャンスが残されているように私には思われる」
  • 若者はなぜうまく働けないのか? (内田樹の研究室)

    CIRCUSという雑誌の取材がある。 お題は「どうして若者はうまく働くことができないのか?」 一方に引きこもったまま労働しない若者がおり、一方に過労で倒れそうな若者がいる。 いずれも「うまく働いている」わけではない。 どうしてなのか。 たしかに「どうしてなんでしょう」と訊きたくなる気もわかる。 お答えしよう。 これは複数のファクターの総合的な効果であるから、単一の原因を探してもダメである。 第一は働く個人の側の問題である。 『下流志向』で分析したように、労働を経済合理性の枠内でとらえると、労働者は自分の労働の成果に対して、「等価の」報酬が、「遅滞なく」、「固有名宛て」に給付されることを望む。 学生たちが知っている「work」の経験はさしあたり受験勉強と就活だけであるが、それはまさに、努力に対する報酬(成績や合否採否)が(成績発表、内定通知の日に)「遅滞なく」、努力にふさわしい評価として、固

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2007/07/05
    「当人たちはたいていの場合「受験勉強と同じ」という意味で使っている。つまり、自分の努力の成果が、まちがいなく自分宛に、適切な評価を受けてもどってくるような仕事のこと」
  • 「若者はなぜ3年で辞めるのか?」を読む (内田樹の研究室)

    お正月、特にすることもないので新春早々ゲラを校正。 朝日新聞社から出る教育「狼少年のパラドクス」の再校である。 ブログ日記から教育関連のものを選び出しただけなので、内容的には繰り返しが多いし、文体もわりと手荒なので、このままにするわけにはゆかず、あれこれいじりまわす。 夕方から自由が丘。 等々力在住の兄上と平川くん、千鳥町在住の石川くんという「極楽カルテット」でお正月を祝うべく不二屋書店前に5時集結。 そのまま居酒屋にとぐろを巻いて、ビジネスの話。 平川くんと私は石川くんが3月から始める新規ビジネス、ライブハウス+落語定席「アゲイン」の出資者であるので、ビジネスプランについて詳細をあれこれ論じる。 メニューはどうするのか、禁煙か喫煙可か、クライアントにはどのような年齢層をターゲットにするのか、楽器はどうするのかなどなど。 平川くんと私は開店イベントにすでにブッキングされているようである

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2007/01/04
    「この200頁ほどのテクストの中で、「私たちは仕事をすることを通じて、何をなしとげようとしているのか?」という基本的な問いが一度も立てられていない」
  • 創造的労働者の悲哀 - 内田樹の研究室

    興味深い記事を読んだ。 12月18日毎日新聞夕刊に東大で行われた学生実態調査の報告についての短信である。 学部学生3534人(回答者は1367人)対象のアンケートで「自分はニートやフリーターになるように思う」と答えた学生が7.4%、「ニートにはならないが、フリーターになるかもしれない」と答えた学生が20.9%。 あわせて28.3%の東大生がいずれニートかフリーターになる可能性を感じている。 この数値の経年変化にも興味があるところだが、記事では触れられていない。 個人的予測を述べさせてもらえれば、数値はこの後も増え続けるだろうと思う。 東大生が就職にきわめて有利なポジションにいることはどなたでもご存じである。 だから、彼らがそれでも「ニートかフリーターになるかもしれない」と思っているのは、「就職できない」からではない。 新卒でちゃんと一流企業や官庁に就職はするのである。 オフィスにばりっとし

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