日本の小惑星探査機「はやぶさ」による小惑星イトカワの探査ほど、成功したのか、失敗したのか分からないプロジェクトはない。イトカワに着陸成功と言ったかと思えば、小惑星の試料採取は失敗の可能性ありと言い、さらに地球への帰還は姿勢制御エンジンのトラブルで3年延期と発表、本当に戻ってくるのか定かでないままだ。太陽系の起源を探る上で小惑星探査の意義はあるにしても、成功も失敗もあやふやにして逃げを打つようなプロジェクトの進め方は、科学技術への失敗に寛容な風土を築くという点ではマイナスではないか。 失敗を成功と言い繕っていないか はやぶさは2003年5月にM5ロケットで打ち上げ、2年以上の歳月を経て目的地のイトカワに到着、撮影や接近、着陸、金属弾の打ち込みなど様々な試みを行い、試料採取をして2007年にも戻る予定にしていた。しかし、様々な局面でやきもきさせた挙げ句、ヤマ場の試料採取はデータ分析の結果う