ささいな刺激でも強い痛みを感じる帯状疱疹(ほうしん)の詳しい仕組みを、富山大と理化学研究所の研究グループが動物実験で突き止めた。 病原体に対する抗体が脊髄(せきずい)に入り込み、痛みの信号を強めるという。近く米国のウイルス学専門誌で発表する。 帯状疱疹は幼少時に感染するヘルペスウイルスの一種が原因。胸や腕などの神経節にウイルスは潜伏、免疫力が落ちると発症する。皮膚に水疱ができ、ひどくなると軽く触れただけで激痛が走る。80歳までに3人に1人が経験するとされる。 研究グループは、神経細胞を成長させるBDNFという物質が、脊髄で痛みの信号を強める作用があることに着目。BDNFと帯状疱疹との関係を調べた。 ウイルスの抗体はBDNFと構造が似ており、神経細胞を培養して抗体を加えるとBDNFの作用を強めることが判明した。マウスの脊髄に抗体を注射すると、糸で触れただけで痛みを感じるほど敏感になった。 理