サツキ(左)とジロー=東京都台東区上野公園1911年に初来日したカバ=上野動物園提供 カバが上野動物園(東京都台東区)に初来日し、23日で100周年を迎えた。これまで21頭が同園で飼育され、悲喜こもごもの歴史を刻んできた。 1911年2月23日、ドイツ北部のハーゲンベック動物園から1頭の雄がやって来た。1年9カ月後に死ぬまで名前はなかった。「日本に1頭だけなので、あえて名付ける必要がなかったようです」と井内岳志学芸員。大きな口が物珍しく「今でいえばパンダ並み」の人気を誇ったという。 当時の飼育日誌などによると、カバ舎の前に行列ができ、警備員が「立ち止まらないで進んでください」と声をからした。水中にいないと不安を感じやすいのがカバの習性。カバ舎の池に潜りっぱなしで「ちゃんと見えない」と怒り出す入園客もいた。 飼育は試行錯誤。36年に赤ちゃんが生まれると、飼育係が「溺れる危険がある」と