中国当局によって自宅軟禁に置かれていた、盲目の人権活動家・陳光誠氏の奇跡の脱出、そして米大使館駆け込みの事件だが、最新の報道では、人権弾圧を続けている中国と人権擁護を一応は掲げている米国とで政府レベルの手打ちとなった。 陳氏は米国亡命を求めたがかなわず、「米国に裏切られた」と発言したとの報道もあった(参照)。だが米国オバマ政権の高官は、「亡命を要請したことは一度もなかった」とまるで中国政府高官のようなことを述べて米大使館から陳氏を結局放り出した(参照)。 事態の真相はよくわからないが、中国政府下に戻された陳氏に言論の自由などありようもなく、真相解明の大半は不可能になった。オバマ政権、グッジョブ。 表立った報道からわかる範囲で経緯を見ると、中国政府がこの事件を嫌うのは当然として、オバマ政権もこの事件を嫌っていたようだ。クリントン米国務長官は5月3日、北京で開催された米中戦略・経済対話の開会式