引きこもりが長期化し、80代の親が50代の子を養う「8050問題」が注目を集める中、引きこもり当事者の兄弟姉妹にも不安が広がっている。将来、親が老い、亡くなった後はどうするか。兄弟姉妹は全国で200万人近くいるという推計もあり、支援団体への相談は増えている。専門家は「兄弟姉妹には親と違う葛藤がある。悩みを抱え込まないで」と呼び掛ける。 「父の介護が必要になった時、妹を誰が支えるのでしょうか」 中部地方に住む30代男性は漏らす。県外の実家で暮らす4歳下の妹は、中学生時代のいじめを機に不登校になった。卒業後、進学や就職はせず、15年ほど自宅に引きこもり続ける。 妹と同居する父は70代。年金とアルバイト収入で暮らすが、最近は体の痛みを訴えることも多く、いつまで働けるか分からない。家計に余裕はなく、実家の引っ越し代金数十万円は男性が立て替えた。 「お金を返してもらえると思わない。でも、いつも頼られ
冒頭の調査では、広義のひきこもりに該当する人のうち12.8%が専業主婦・主夫であるとされています。結婚や妊娠・出産を機に退職して専業主婦になり、その結果としてひきこもりになってしまうというパターンもあるようです。 「初めての出産後、いわゆる産後うつの状態になりました。『自分は母親としてふさわしいのか、この子をちゃんと育てられるのだろうか』という不安に押しつぶされそうになっているとき、外出先で目にする他のママたちはみんなキラキラ輝いて見えて、とてもその中に入っていく気が起きず、家にこもるようになりました。」 「夫が転勤族で、数年ごとに知らない土地に引っ越す生活が続いています。当然、友達はおろか知り合いもいないし、出かける先もないので、毎日ただただ孤独です。話し相手は夫だけ、最近では買い物に出る気にもならないのですべてネットで済ませてしまい、ほとんど家から出ていません。」 「結婚を機に退職した
近年「中年の引きこもり」が話題になっています。先月には30年以上にわたり引きこもっていた56歳の男性が両親の死後に自宅で衰弱死していたことがニュースになりました。また今年5月には川崎市で10年以上引きこもり生活を続けていた50代の男が近所でスクールバスを待っていた児童とその保護者らを次々と刺した後に自殺するという事件が起きました。 【なぜ?】ドイツでは「長時間労働」あり得ない これらの事件が起きる少し前、今年3月に内閣府は40歳から64歳の中高年の引きこもりの人数が推計61万人という調査結果を発表したばかりです。彼ら彼女らの半数は、引きこもり期間が「7年以上」でした。 興味深いのは上記の「40歳から64歳の推計61万人」という数が、15歳から39歳の引きこもりの数である推計54万1千人を上回っていることです。これが今の日本ではいわゆる「8050問題」(引きこもりの当事者が50代になり、親が
子どもから親への家庭内暴力が、年々増えている。今年は、家庭内暴力に悩まされていた元農水省事務次官が、「他人に危害を加えないために」という理由でわが子を殺害したという事件も起こった。 2018年版「犯罪白書」によると、少年による家庭内暴力事件の認知件数の総数は、2012年から毎年増加しており、2017年は2996件(前年比12.0%増)であったという。こうした子どもによる家庭内暴力の最大の原因は何か。精神科医の片田珠美氏は著書『子どもを攻撃せずにはいられない親』で、「子どもをいい学校、いい会社に入れなければいけない」と思い込む「勝ち組教育」にこそ最大の原因があると説く。 ■「勝ち組教育」にこだわる価値観 家庭内暴力のほとんどのケースで「親への怒り」が一因になっていることは間違いないだろう。親に怒りを抱かずに暴力を振るう子どもはほとんどいない。 では、何が子どもの怒りをかき立てるのか。もちろん
これまでひきこもりの女性たちの実態はなかなか可視化されることがなかった(写真はイメージです)。 liza54500/Shutterstock 「ひきこもり女子会」というイベントが全国各地で開催され盛況だ。女子会というだけあって男性の姿はない。年齢も外見もバラバラな女性たちが、車座になってガールズトークに花を咲かせている。 女性が集まって食事をしたり、会話を楽しむ「女子会」はさほど珍しいものではないが、ここに集まる女性に共通するのは、今もひきこもり状態にあったり、何らかの生きづらさを抱える「当事者」だということだ。 女子会を主催する「ひきこもりUX会議」代表理事・恩田夏絵(31)さんも元ひきこもり。恩田さんは、日本社会におけるひきこもり像は「若年男性」だったと語る。 「メディアが取り上げる引きこもりは、自分の部屋の片隅で三角座りをしている気弱な男子というイメージ。自分のような女性の存在が可視
元農林水産事務次官、熊沢英昭容疑者(76)による44歳の息子殺害事件は、“罪は罪”と指弾する声とともに、父親としての苦しみに共感する声も聞こえてくる。 【写真】警視庁練馬署を出る熊沢英昭容疑者
ふたつの事件によって「ひきこもり」が再注目されています。 ひとつは児童を含む17人を殺傷した川崎殺傷事件。事件翌日の5月29日、川崎市が容疑者(51歳)は「長期間のひきこもり傾向にあった」と発表。その数日後、6月1日に元官僚の父親(76歳)がひきこもる長男(44歳)を殺害する事件が起きました(以下、練馬事件)。 ふたつの事件は「ひきこもり」というワードが共通しており、ひきこもりに関する報道が、連日されています。そうした影響も受け、ひきこもりの当事者や親には波紋が広がっています。 「うちの子は中学生だが、学校へ行かずひきこもっているのは正直、怖い」(40代・主婦) 「やっぱり自分も最後は親に殺されるのではないかと思った」(20代・ひきこもり男性) そんな声も聞かれました。川崎殺傷事件と練馬事件が「ひきこもりだから起きた」という短絡的な見方には疑問がありますが、今日は、ひきこもりの人に周囲はど
川崎市多摩区で小学生らが襲われた事件で、自殺した岩崎隆一容疑者(51)は、長期間引きこもり状態だったとされる。 支援団体などからは「引きこもりがまるで犯罪予備軍のような偏見が助長されないか」と、懸念の声が上がる。 支援活動などを行う一般社団法人「ひきこもりUX会議」は事件を受け、「引きこもりと殺傷事件を臆測や先入観で関連付けることを強く危惧する」などとする声明を発表した。家族らでつくる「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」も同様の声明を出し、上田理香事務局長は「偏見やレッテルが一層社会との断絶を生み、本人や家族を追い詰める」と訴えた。 「結果は分からないが、せめて誰かが寄り添えていれば」と悔やむ声もある。川崎市は岩崎容疑者の伯父らから2017年以降、計14回相談を受けていたが、主に介護に関する内容だったため、引きこもりについては伯父夫婦の意向をくんで様子見としていた。 引きこもり支援をするN
31日、福岡市博多区の市営住宅と近くの路上で、家族とみられる男女3人が血を流して倒れているのが見つかり、部屋にいた40代の男が死亡し、母親とみられる70代の女性が意識不明の重体となっています。母親と見られる女性は「引きこもりがちの息子と口論になって襲われた」などと話していたということで、警察は、死亡した男が家族2人を襲ったあと自殺したとみて捜査しています。 警察によりますと、母親とみられる女性は意識を失う前に「引きこもりがちの息子に仕事をするように言ったら口論になり襲われた」などと話したということです。 また、妹とみられる女性は「兄に刺された」と話していて、帰宅した際に突然、襲われ、路上まで逃げたとみられるということです。 警察は、死亡した男が母親と口論になり、家族を相次いで襲ったあと自殺したとみて殺人未遂の疑いで捜査しています。
川崎市登戸の路上で児童ら19人が相次いで殺傷された事件をめぐり、メディアの報道姿勢に批判が殺到している。【BuzzFeed Japan / 神庭亮介】 フジテレビ系のFNN PRIMEは5月30日午後5時10分に「部屋にテレビとゲーム機 岩崎容疑者の自宅」と題した記事を配信。 《警察は29日、岩崎隆一容疑者(51)の自宅に捜索に入ったが、部屋は整然と整理されていて、テレビのほか、ポータブルのゲーム機やテレビにつないで遊ぶゲーム機などもあったことが新たにわかった》と報じた。 また日本テレビ系の日テレNEWS24も、午後5時49分配信の「川崎死傷 男の自宅からテレビやゲーム機」というニュースで、以下のように報じている。 《警察が29日、岩崎容疑者の自宅を家宅捜索したところ、部屋からテレビやゲーム機が見つかったという》
川崎市多摩区で児童ら19人を殺傷し自殺した岩崎隆一容疑者(51)は、長期間定職に就かず引きこもり状態で、高齢の伯父夫婦の支援で生活していた。 市は伯父らから相談を受けていたが、内容は介護が中心で、岩崎容疑者本人への面談や支援は行われなかった。 内閣府は昨年、中高年(40~64歳)の引きこもり実態調査を初めて実施。3月に公表した結果では、定職がなくほとんど外出しない「引きこもり状態」の中高年は全国に推計61万3000人おり、その半数が5年以上の長期にわたっていた。 引きこもりの子と養う親がともに高齢化し、生活が行き詰まることは、それぞれの年齢から「8050問題」と呼ばれている。実態が見過ごされてきた上、人数は内閣府の別調査で推計された15~39歳の引きこもり数(約54万人)を上回っており、問題は深刻だ。 引きこもり問題に詳しい愛知教育大の川北稔准教授は「未婚無職の子が親の年金に頼り切り、共倒
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