「ひきこもり」は70年代に現れ80年代から90年代にかけて激増したと言われている.斎藤環は次のように述べている. 私自身も,医師になりたてだった1980年代中期の時点で,この種の事例をごくありふれたものとして診療にかかわっていた経験があります.(斎藤 2002: 34) また,最初期からひきこもり問題に関わり続けているNPO法人・青年自立援助センターの代表である工藤定次によると,「ひきこもり」と呼ばれるようなケースに初めて関わったのは1978年であるという(斎藤 2003b: 52) この傍証となるのは不登校者の推移 )である.ただ不登校統計を使う際には注意が必要である.なぜならば,不登校統計には様々な問題点があるからである.例えば,長期欠席の中で不登校が占める割合が都道府県によって非常に大きな相違があることである.小学校の不登校率は最高値[青森県52.7%],最低値[長崎県22.0%]で
![ひきこもり現象はいつから始まったか - 井出草平の研究ノート](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b62eb327a8055e122ef4d06047c0ab3da44c7105/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2Fi%2FiDES%2F20160806%2F20160806134937.jpg)