自閉症スペクトラム障害(ASD)の成人は、その環境内で予想外の事象に直面した時に示す驚きの程度がASDでない成人より小さく、その驚きの小ささの程度からASDの症状の重症度を予測できることが明らかになった。この研究では、ASDの成人が環境の変動性を過大評価し、特定の変化が生じる可能性を過小評価する傾向があるために予想外の事象に直面してもそれほど驚かないことが示唆されている。この研究結果について報告する論文が、今週のオンライン版に掲載される。 ASDの診断基準の中に「同じであることへのこだわり」と「変化への不寛容」という項目があるが、ASDの患者が、その環境に生じた変化をどのように表現し、応答するのかという点に取り組んだ研究は非常に少ない。例えば、キーボード上のキーを押すと、カチカチという音ではなく、自動車のクラクションの音が聞こえた時に人間はどれほど驚くだろうか。通常はカチカチという音が予想