小児期の鉛曝露に関連して起こる認知機能と脳成長の障害は、貧困によってさらに悪化する可能性があることが分かった。 小児期の鉛曝露は、たとえ低濃度であっても、認知機能や行動の発達に悪影響を及ぼすことが知られていて、その後の生活での低い社会経済的地位とも関連付けられている。しかし、小児期の社会経済的状態と鉛曝露、そして脳の成長への影響の間の関係は十分には解明されていなかった。 E Sowell、A Marshallたちのグループは、全米各地の9〜10歳の小児9712人について、脳の構造と認知テストのスコアとを評価した。次いで、ワシントン州保健局の鉛リスクスコアを使って、それぞれの子どもの居住経歴に基づいて鉛曝露量を推定した。また、低所得世帯の子どもは、高所得世帯の子どもに比べると、認知テストのスコアの平均が9%低いことが分かった。鉛曝露リスクが最も高い地域に住む低所得世帯の子どもは、同じ地域に住