昨年3月に東京都目黒区で起きた女児虐待死事件は、社会に大きな衝撃を与えました。痛ましい記憶も冷めやらない今年1月には、千葉県野田市で女児虐待死が起きています。児童虐待事件が大々的に報道される中、政府や地方自治体も子どもを守る対策の強化に乗り出しています。行政が子供を守る機関として、私たちが真っ先に思い浮かべるのは児童相談所(児相)でしょう。しかし、東京の練馬区は23の特別区の中で唯一、児相設置の方針を表明していません。それはなぜなのでしょうか。 児相開設で虐待が即解決できるわけではない 以前の法律では、47都道府県と政令指定都市は必ず児相を設置しなければならないと定められていました。2006年には児童福祉法が改正され、中核市でも児相を設置できる規定が盛り込まれました。しかし、都道府県と政令指定都市が「必置」であるのに対し、中核市は「設置できる」という位置づけにとどまりました。そのため、現在
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