発達障がい、特に自閉スペクトラム症については、従来から早期発見、早期介入の重要性が強調されてきました。早期介入の長期的な効果や新たな早期介入技法に関するエビデンスも次々に発表されています。今や、早期介入は世界的な潮流と言っていいでしょう。現在一定の効果が確認されているのは、主に2歳台での集中的な介入です。その時期に介入を行おうとすれば、少なくとも2歳台あるいはそれ以前の早期診断が必要です。日本では世界に類を見ない乳幼児健診のシステムがあり、それを活かした発達障がいのスクリーニングが注目され、様々な取り組みが行われてきました。その背景には「スクリーニングの正当性は早期介入の効果によって担保されている」という暗黙の前提があります。 私も当初はスクリーニングの必要性を当然のこととして受け入れていました。しかし、実際の臨床場面でたくさんの子どもたちや保護者の方々とお会いする中で、どこか釈然としない