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ブックマーク / kazutoshitakahashi.tumblr.com (6)

  • 49. 早期介入のエビデンスは必ずしもスクリーニングを正当化しない - 発達診療の窓から

    発達障がい、特に自閉スペクトラム症については、従来から早期発見、早期介入の重要性が強調されてきました。早期介入の長期的な効果や新たな早期介入技法に関するエビデンスも次々に発表されています。今や、早期介入は世界的な潮流と言っていいでしょう。現在一定の効果が確認されているのは、主に2歳台での集中的な介入です。その時期に介入を行おうとすれば、少なくとも2歳台あるいはそれ以前の早期診断が必要です。日では世界に類を見ない乳幼児健診のシステムがあり、それを活かした発達障がいのスクリーニングが注目され、様々な取り組みが行われてきました。その背景には「スクリーニングの正当性は早期介入の効果によって担保されている」という暗黙の前提があります。 私も当初はスクリーニングの必要性を当然のこととして受け入れていました。しかし、実際の臨床場面でたくさんの子どもたちや保護者の方々とお会いする中で、どこか釈然としない

    49. 早期介入のエビデンスは必ずしもスクリーニングを正当化しない - 発達診療の窓から
    AFCP
    AFCP 2017/04/19
    日本の自閉スペクトラム症の過剰スクリーニングの状況は、ひょっとすると欧米より先に行っているんじゃないかという気もするので結構深刻な問題……。
  • 38. 「好きなこと」を大切にしてもらえる体験 - 発達診療の窓から

    みなさんには「好きなこと」がありますか?一言で「好きなこと」といっても、趣味であったり、仕事であったり、何気ない日常的な習慣であったりと様々なものがあるでしょう。中には、ちょっと人には言いにくい…というものもあるかもしれません。子どもだったらスポーツに夢中になっていたり、大人だったら料理やガーデニングが好きです、というのは、結構堂々と言えるでしょうし共感もしてもらいやすいかもしれません。でも、子どもが刃物や銃に関心を持っていたり、大人の男性がリカちゃん人形のコレクションを趣味にしている、などという場合には、家族もあまりいい顔をしないかもしれないし、人もなかなか大っぴらには言いにくいかもしれません。 私が出会う子どもたちの中には、気づきにくいけれどもとても気になる子どもがいます。小さいころには屈託がなく、一種天真爛漫なところがあったのに、成長するにしたがって次第に無気力になっていく子どもた

    38. 「好きなこと」を大切にしてもらえる体験 - 発達診療の窓から
    AFCP
    AFCP 2015/10/14
    "好きなものが年齢に見合わないほど幼なかったり、奇妙だったり、猟奇的だったりする" これをすぐに否定しないのは、難しいけど大事なことだなあ。
  • 32. エビデンスとの付き合い方 - 発達診療の窓から

    現代の医療は"evidence-based medicine"(根拠のある医療)といって、個人的な経験則や根拠の薄い慣例的な医療行為をできる限り排し、科学的根拠(エビデンス)に基づいた医療を目指す方向になってきています。ですから、診断や治療について議論する際に、個人的な主観だけで物事を語ることはまずありません。たいていは、一定の水準を満たした学術雑誌にどういった研究や症例報告があるのか、国際的なスタンダードとしてどのような考え方がどのような根拠に基づいてなされているのか、国際標準として通用している教科書にはどう記載されているのか、なぜそう記載されているのか、などといった点をふまえて議論することになります。 このような考え方には一定の意味があります。たとえば、私が医師として出発した頃は、救急現場へ心肺停止状態の人が搬送されてくると、とりあえず良さそうなことは全部やるというのが一般的でした。と

    32. エビデンスとの付き合い方 - 発達診療の窓から
    AFCP
    AFCP 2015/07/09
    大筋で同意するけど、エビデンス・レベルという用語(や概念)が、明示的に出てこないのは少し残念かな。
  • 23. 世界自閉症啓発デーにかける思い - 発達診療の窓から

    毎年4月2日は国連が定めた「世界自閉症啓発デー」、それに続く4月2日~8日は「発達障がい啓発週間」です。4月2日とその近辺には、世界中でランドマークのブルーライトアップをはじめとした様々な啓発イベントが行われています。ここ道南地域でも2013年から啓発イベントが始まりました。私自身は主に広報担当として2014年からこのイベントにかかわっています。 私にとって、この活動には特別な思いがあります。それは、私が一人の支援者として歩んできた道のりと深く関係しています。 小児科医として発達診療にかかわるようになった当初、私は、自分が学び、自分の目の前に来る子どもたちにできる限りの支援を提供することしか考えていませんでした。ところが、難しい問題を抱えた子どもたちの数が増えるにつれ、療育プログラムや相談だけでは解決できないことが多くなっていきました。そういった場合には、ご人やご家族以外の、周囲の人たち

    23. 世界自閉症啓発デーにかける思い - 発達診療の窓から
    AFCP
    AFCP 2015/03/05
  • 18. 「私の経験では…」 - 発達診療の窓から

    私が医師になって7~8年ほどしたころのことです。私は、ある小児病院で非常勤医師として働いていました。一種の研修医のようなものです。 一日の診療が終わるとよく夕方から自主的な勉強会があり、夜遅くまで文献の読み合わせをしたり、診断や治療方針をめぐって同僚や先輩方と議論しあうのが日常でした。比較的自由な立場だった私は、様々な科の勉強会に日替わりで参加していました。 その日はある希少疾患についての勉強会だったのですが、たまたまその疾患の経験があったことからディスカッションの中でコメントをしようと、「私の経験では…」と切り出したそのとき、指導医だったN先生の雷が落ちました。 「お前の経験はどのくらいのものなんだ?世界中に、この診断について知見が蓄積され、論文として発表されている。それを無視して、まず自分の経験からものを言いはじめるのは傲慢だ。『私の経験では』という言葉を使うな!」と。 私は、はっとし

    18. 「私の経験では…」 - 発達診療の窓から
    AFCP
    AFCP 2014/12/29
    "お前の経験はどのくらいのものなんだ?"
  • 15. Connie Kasariの論文 ~本人に対するソーシャルスキルトレーニングよりも周囲の子どもたちの理解が大切~ - 発達診療の窓から

    私はときどき最新の論文に目を通すようにしています。日進月歩の世界では、最新の情報に常に敏感でいることが大切だと考えているからです。自分の経験だけではどうしても得られる情報は限られてしまいますし、自分の視点や考え方が世界の潮流からずれていってしまう可能性もあります。 今回は、少し前に読んだ論文の中から、私の実感に近く、印象に残ったものをご紹介させていただきます。 これは、60名の自閉症スペクトラム障がい(ASD)の学齢児を15名ずつ4つのグループに無作為に分け、①人に対するソーシャルスキルトレーニング、②周囲の子どもたちに対するピア・サポートのトレーニング、③両方を行う、④いずれも行わない、の4種類の対応を6週間行った後、3カ月間の追跡調査を行ったというものです。3ヶ月後には、②及び③でASD児の他児との関係やソーシャルスキルは有意に改善し、孤立する程度は減少しました。②と③の効果は同等で

    15. Connie Kasariの論文 ~本人に対するソーシャルスキルトレーニングよりも周囲の子どもたちの理解が大切~ - 発達診療の窓から
    AFCP
    AFCP 2014/11/24
    同感。Peer-Mediated な介入研究もどんどん増えてるし。教育場面でのSSTの有意性の一つだよなあ。
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