さて、今回も対人関係社会リズム療法を説明した総説のご紹介です。Interpersonal and social rhythm therapy: managing the chaos of bipolar disorder. Biol Psychiatry. 2000 Sep 15;48(6):593-604. Frank E, Swartz HA, Kupfer DJ. Department of Psychiatry, University of Pittsburgh, Western Psychiatric Institute and Clinic, Pennsylvania 15213-2593, USA.イントロダクション (つづき)再発への道双極性障害の経過には、生物学的な要因と心理社会的な要因の相互作用が重要な役割を果たしているとGoodwinと Jamisonのテキストブック
さて、今回からは久しぶりのシリーズものです。STEP-BDで双極性障害に対する有効性が検討された心理社会的治療には、認知行動療法対人関係社会リズム療法:Interpersonal social rhythm therapy家族療法(?):Family-focused therapyがありました、認知行動療法は、日本でも盛んに行われるようになって来ていますので、聞いたことがある方も多いと思うのですが、後二者に関しては、日本語の資料も少ないようです(私が見つけきれていないだけかもしれませんが)。ということで、ちょっと古い論文ですが、対人関係社会リズム療法に関する総説記事を見つけましたので、今後数回に分けてご紹介していきたいと思います。Interpersonal and social rhythm therapy: managing the chaos of bipolar disorder.
今回ご紹介する論文は、妊娠後期のSSRIの使用と妊娠高血圧症および子癇前症のリスクに関する論文です。Selective Serotonin Reuptake Inhibitor Use and Risk of Gestational Hypertension. Am J Psychiatry. 2009 Jan 2. Toh S, Mitchell AA, Louik C, Werler MM, Chambers CD, Hernández-Díaz S.子癇前症、妊娠高血圧症は、妊娠に伴うことのある重篤な病態ですが、その原因としてセロトニンが重要な役割を果たしていることが示唆されています。一方、SSRIは循環血液中のセロトニン濃度に影響を与えることが分かっていますが、SSRIの服用がこれらの病態と関連しているかについてはあまり研究がなされていませんでした。この論文では、妊娠中のSSRIの
大うつ病性障害の薬物療法については、急性期の有効性に関するデータは比較的まとまってきていますが、ではいつまで維持薬物療法を継続しなければいけない のかとか、実際にどのようなスケジュールで減量していけばよいのか、に関する研究はあまり多くないように思います。このエントリーでご紹介する研究は、 SSRIで維持療法がおこなわれている大うつ病性障害寛解期のクライエントを、維持療法中止群と維持療法継続群に分けて、その経過を比較した論文です。Discontinuation of maintenance selective serotonin reuptake inhibitor monotherapy after 5 years of stable response: A naturalistic study. J Clin Psychiatry. 2008 Nov 4. pii: ej08m04158
今回ご紹介する論文は、Journal of Clinical Psychiatryに掲載されていたものです。セルトラリンは、ジェイゾロフトとして、ファイザーから発売されているSSRIですが、この研究ではその有効性に関して他の抗うつ薬と比較検討が行われました。Does randomized evidence support sertraline as first-line antidepressant for adults with acute major depression? A systematic review and meta-analysis. J Clin Psychiatry. 2008 Nov 4. pii: ej08r04043. Cipriani A, Furukawa TA, Geddes JR, Malvini L, Signoretti A, McGuire H,
近年、双極性障害の治療に関しては研究が盛んになって来ており、症状のコントロールという意味においては有効な治療法が開発されて来ています。しかし、職業機能の回復という面では、まだまだ十分に有効な治療法が確立しているとは言えません。今回ご紹介する論文は、この職業機能回復に対する対人関係社会リズム療法(IPSRT)の有効性に関するものです。The role of interpersonal and social rhythm therapy in improving occupational functioning in patients with bipolar I disorder. Am J Psychiatry. 2008 Dec;165(12):1559-65. Frank E, Soreca I, Swartz HA, Fagiolini AM, Mallinger AG, Thase
本日ご紹介する論文は、双極性障害に対するカルバマゼピンの有効性および耐用性についてリチウムと比較したシステマティックレビューです。カルバマゼピンは、日本で比較的よく処方される薬剤ですが、諸外国ではそこまで積極的に臨床研究がなされている様子も見られません。このシステマティックレビューは、現時点でのまとめ的な意味で参考になるのではないでしょうか?Comparison of carbamazepine and lithium in treatment of bipolar disorder: a systematic review of randomized controlled trials. Hum Psychopharmacol. 2009 Jan;24(1):19-28. Ceron-Litvoc D, Soares BG, Geddes J, Litvoc J, de Lima MS.
Lancetに掲載された論文です。現在多くの国で押し進められている、地域での生活を重視したメンタルヘルスサービスの有効性を、自殺という指標を使って検証した論文です。Community mental-health services and suicide rate in Finland: a nationwide small-area analysis. Lancet. 2009 Jan 10;373(9658):147-53. Pirkola S, Sund R, Sailas E, Wahlbeck K. Mental Health Group, National Research and Development Centre for Welfare and Health (STAKES), Helsinki, Finland.先進国では、メンタルヘルスサービスは、病院を中心とした入院型
今回ご紹介する論文は、リチウム投与と認知症のリスクに関する大規模研究です。Lithium treatment and risk of dementia. Arch Gen Psychiatry. 2008 Nov;65(11):1331-5. Kessing LV, Søndergård L, Forman JL, Andersen PK. Department of Psychiatry, University Hospital of Copenhagenリチウムには、神経保護的な作用があると言われていますが、認知症に対する予防効果の有無に関しては明らかになっていませんでした。この論文では、リチウムによる継続的な治療が認知症のリスクを軽減するか否かについて、全国的な大規模研究により検証し報告しています。研究デザインは、観察的コーホート研究で、デンマークにおける1995年1月1日から200
新規抗うつ薬の有効性に疑問を投げかけたPLoS Medicinに掲載されたKirschらのメタ解析の結果に関する批判的なコメントです。Kirschらの論文は、このブログでもご紹介しており、じつはこの辺境ブログにあって人気エントリーのひとつになっています。このコメントでも言及されていますが、その理由のひとつは、Kirschらの論文が、新聞などの医療関係者を対象としていない一般報道で取り上げられたことが大きいと思います。では、この総説で行われている批判についてご説明してきましょう。Isn’t the efficacy of antidepressants clinically relevant? A critical comment on the results of the metaanalysis by Kirsch et al. 2008 DOI 10.1007/s00406-008-0
今回ご紹介する論文も、残念ながら私の現在の環境では全文が手に入りませんので、アブストラクトからご紹介します。今年の7月に掲載された論文ですが、何故か今頃私のアンテナに引っかかって来ました。Efficacy of antidepressants in juvenile depression: meta-analysis. Br J Psychiatry. 2008 Jul;193(1):10-7.児童・思春期のうつ病に対する抗うつ薬の有効性に関するメタ解析です。プラセボと抗うつ薬の有効性を比較したランダム化コントロール研究が抽出され、解析に用いられました。30のプラセボ対照ランダム化コントロール試験から、平均年齢13.5歳の3069症例(512人年)が抽出されました。メタ解析の結果、抗うつ薬投与群とプラセボ投与群での有効率の比は、1.22(95%CI=1.15-1.31)であり、中等度の上昇
大うつ病性障害に対する治療法として、認知行動療法をはじめとする定型化された心理療法的介入と薬物療法は、ほぼ同等の有効性を持つと言われています。今回ご紹介する論文では、メタ解析により、この事を再確認しています。Are Psychological and Pharmacologic Interventions Equally Effective in the Treatment of Adult Depressive Disorders? A Meta-Analysis of Comparative Studies. J Clin Psychiatry. 2009 Jan 17. pii: ej07m04112. [Epub ahead of print]このメタ解析では、包括的なデータベースサーチにより、1966-2007年に報告された6947論文のアブストラクトが抽出(PubMed:124
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く