「『想定外』の津波という弁明では済まない」。東京電力福島第1原発事故の政府事故調査・検証委員会が26日まとめた中間報告は、東電の津波対策の不備や、事故対応のまずさを厳しく指摘した。「想定を超える津波」を理由に「対応に問題はなかった」などとした東電の社内事故調査(2日に中間報告とりまとめ)とは対照的な内容となった。 ■状況誤認とミス 事故直後の初動対応について、政府事故調は大きく2つの点を指摘した。 一つは1号機で緊急時に原子炉を冷やす「非常用復水器(IC)」が機能不全に陥ったにもかかわらず、吉田昌(まさ)郎(お)所長(当時)らが稼働していると誤認していた点だ。報告書によると、事故当時、運転員はIC作動状況に疑問を持っていたにもかかわらず、詳しい状況を吉田所長や東電本店に報告せず、代替注水もされなかった。政府事故調は「炉心冷却の遅れを生んだ大きな要因」と指摘した。 もう一つは、3号機の冷却装