●J. Bradford DeLong,“The Shadow of the Great Depression and the Inflation of the 1970s”。 1970年代にアメリカ経済を苦しめた加速するインフレ(高率のインフレ率の持続)の背後に1930年代の大不況(the Great Depression)の影(政策決定の場において一つの桎梏と化した記憶)を垣間見ることができる。物価安定よりも失業率の抑制(“完全雇用”)を優先する政策決定者の態度―ニクソン大統領は失業率を高める恐れがあるインフレの抑制には否定的であり("control inflation without a rise of unemployment";アイゼンハワー前大統領は反対にインフレの加速を許しかねない(過度の)景気刺激策には否定的であり、ニクソンは1960年の自らの大統領選での敗北の責任を彼のそ