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ブックマーク / www.anlyznews.com (23)

  • 議員バッジは帯揚げに

  • 日本政府の徴税権の資産価値はゼロ

    政府の債務残高が年々大きくなっていることに対し、ネット界隈のリフレ派は二つの反論を良くしている。一つは、政府と日銀のバランスシートを統合すれば、日銀保有分の国債が消せるので財務が改善すると言うもので、日銀券が負債の部に計上される事を忘れているモノだ。一つは、政府資産を差し引いた純債務で見るべきと言う議論で、財務省が作成しているバランスシート*1から純債務残高を見ると債務超過状態な上に状態が急激に悪化しているので、結論に影響が無いモノだ。初歩的な会計知識や数字を確認する意欲に欠けている気がするのだが、何はともあれ反論になっていない。 ここに来て元官僚の高橋洋一氏が、日政府の徴税権を資産計上しろと言い出した(J-CASTニュース)。 こういうと、まだ債務超過であるという批判もある。しかし、政府の場合、強制的に税金を徴収できる徴税権がある。どんなに少なく見積もっても毎年30兆円以上の税金徴

    日本政府の徴税権の資産価値はゼロ
    Amrak
    Amrak 2016/08/16
  • 2000年以降の日本のフィリップス曲線

    学部のマクロ経済学でも取り上げられるせいか、ネット界隈でもフィリップス曲線が言及されることは良くある。これはインフレ率*1と失業率の関係を表したグラフで、政策的にインフレ率を上げれば失業率が下がると言う大誤診を引き起こした経済学史的には重要なものだ。 相関を因果と読み誤りやすいので、少なくないマクロ経済学者が注目して欲しくないと思っていると思うが、昨日も言及されているのを見かけたので、あえて最近の日のデータで確認してみよう。 2000年以降の日において、インフレ率と失業率の相関関係は観察される。マクロ経済政策に失敗するとこの相関関係が切れるので、良好なマクロ経済環境を表していると思う。なお、エネルギー価格の影響などを排除するためにインフレ率の計算にはコアコアCPIを利用した。消費増税の影響は、2014年4月から2015年3月まで増税後ダミーを立てて回帰分析を行い、そのダミーの係数を使っ

    2000年以降の日本のフィリップス曲線
  • 異次元緩和前に雇用回復は止まっていたのか?

    リーマンショック後の景気回復は2011年には始まっており、完全失業率にしろ、有効求人倍率にしろ、就業者数にしろ、マネーストックにしろ、コアコアCPI上昇率にしろ、黒田バズーカこと異次元緩和が公表された2013年4月4日、もしくは野田総理が解散総選挙を決定した2012年11月14日以降に大きなトレンドの変化は観測されない*1。ここから異次元緩和が景気回復にほとんど寄与していない可能性は高い。 ところがリフレ派の間では、リーマンショック後の雇用回復は2012年中に一旦終わって*2失業率が悪化し、異次元緩和を予測した円安*3効果で雇用が改善して、新たな雇用拡大局面に突入したと思われているようだ。2012年も11月までは4.1%まで完全失業率が低下しているが、2012年12月から翌年2月まで失業率が1~2%ポイント上昇し、そこからまた低下し始めたことを念頭に置いているらしい。長期時系列で見ると誤差

    異次元緩和前に雇用回復は止まっていたのか?
  • 沖縄現代史 ─ 米国統治、本土復帰から「オール沖縄」まで

    当にセンシティブな国内問題なので、日韓関係などと比較するとネット上での意見表明すら多くは無い、普天間基地移設問題で揺れ続ける沖縄政治だが、右派でも左派でも沖縄の政治事情をはっきり認識している人は多くないと思う。しかし、抑圧された琉球民族と言う概念を持ち出す左派の人々が、徐々に増えてきたようだ。この概念、どの程度の実態を持つのであろうか。 琉球人と言うエスニシティ、つまり琉球民族としての自覚が沖縄県民にあるのかなどは、他の地域からは容易に分からない問題である。歴史的には1879年まで琉球王国は成立し、文化的にも沖縄の独自性は強いが、1872年からの琉球処分以降、これが公然と問題になったことはほとんど無く、関心も低かった。そう単純に抑圧された琉球民族と言う概念を受け入れるわけには行かない。 そういう事で、昨年出版された『沖縄現代史 ─ 米国統治、土復帰から「オール沖縄」まで』と新書を、上述

    沖縄現代史 ─ 米国統治、本土復帰から「オール沖縄」まで
  • 銃・病原菌・鉄と言うより、農牧業の発生と波及、その影響

    『銃・病原菌・鉄』はSNS上でよく言及される信奉者が多い、歴史学もしくは文化人類学の名著で、世界の文明の発達の違いを説明しただ。内容はエピローグを読めば分かるのだが、大陸ごとの自然環境が大きく影響したと主張されている*1。 近世以降の征服者と被征服者を分けたものは、鉄器や銃や文字などの技術の差と、病原菌への免疫力の差であった。少数のスペイン人が南米を征服できたのは、軍事技術の差は勿論のこと、持ち込んだ感染症が現地社会を壊滅させたことが大きな理由である。 この二つの差がどこから来るかと言うと、農業と畜産の発生と発展に集約されるそうだ。技術者や官僚機構を支えるだけの料生産能力が無ければ、技術の維持・発展ができない。また、家畜が傍にいて病原菌を媒介することで、自分に免疫がある感染症を異民族にもたらせるようになる。 農業と畜産の発生は、自然環境に大きく左右される。短期で安定して収穫できる植物が

    銃・病原菌・鉄と言うより、農牧業の発生と波及、その影響
  • 徴用は明らかに強制労働

    世界遺産登録を巡って、日政府が第二次世界大戦中の朝鮮人の強制労働を認めたと話題になっているが、岸田外相のコメントを含めてかなり冷静さを欠いている。徴用は赤紙のかわりに白紙が届く、原則拒否不可能な強制だ。朝鮮人徴用工の存在は認めているのだから、日政府の見解は従来と何ら変わらない。 1. 日韓の見解の相違点 この問題に関する日韓の見解の相違は、強制労働の有無ではなくて適法性だ。日政府の言い分は、戦時徴用は合法。韓国政府の言い分は韓国併合が違法で、日政府は朝鮮人に命令する法的根拠を持たなかったので、戦時徴用は違法。今回、これに関わる部分は無い。 英語の表現でも、議論の余地はないと思う。徴用を英訳したら(徴兵と見分けがつかないが)compulsory recruitmentになって、compulsoryの同義語を見るとforcedになる。forced to workと言って、何の問題も無い

    徴用は明らかに強制労働
    Amrak
    Amrak 2015/07/08
  • 社会福祉の維持のための増税の是非も議論して欲しい『経済政策で人は死ぬか?』

    昨年ぐらいから話題の左翼やリベラルを標榜する人が良く読んでいる『経済政策で人は死ぬか?』をようやく拝読してみた。幾つかショートストーリーも挟まれるのだが、似たような悪い経済環境で異なる政策をとった二つの国を自然実験として統計比較する主体としたエビデンス・ベースの議論になっている。緊縮財政として特に公衆衛生や貧困対策などの社会福祉政策に関する歳出削減を強く批判している一方で、増税に関する議論がほとんど無いのが気になった。また、自然実験とされる比較が、必ずしも似た状況の国同士を比較していない気がする*1。 第1章で大恐慌が取り上げ、不況が精神衛生を含めた健康*2に悪影響を及ぼすこと、政策的にそれが緩和されたことを確認した上で、自然実験になっている他の事例を見ていく。第2章の社会主義からの移行速度が与える影響の全体の文脈での位置づけが良く分からなかった*3のだが、第3章でアジア通貨危機におけるマ

    社会福祉の維持のための増税の是非も議論して欲しい『経済政策で人は死ぬか?』
  • 1997年の消費増税後に経済指標が動いたのは1998年と言う嘘

    「消費税増税は2年目こそ恐い」と言うエントリーで、1997年消費税増税前後の企業と政府の資金過不足、自殺者数のグラフを出して、消費増税の悪影響は2年目に出てくると主張している。ブログ主には何度か1997年のうちから雇用が悪化していることをグラフを見せつつ指摘しており、それに対する反応もあったので、どうも意図的に嘘をつくタイプの人のようだ。景気先行指数の有効求人倍率は、1997年8月には悪化していた。 統計を確認しなくても奇妙な所はある。資金過不足を見ているのに、なぜ消費や投資の推移を確認しないのか*1。自殺者数を見ているのに、なぜ雇用水準を確認しないのか*2。さらに1998年から悪化したとしても、なぜ不良債権問題やアジア通貨危機*3は関係なく、消費税だけが翌年から作用したと言い切れるのか。 何はともあれ1997年と2014年では各種経済指標の動きは異なっている。中国経済が不調なので歴史が繰

    1997年の消費増税後に経済指標が動いたのは1998年と言う嘘
    Amrak
    Amrak 2015/01/23
  • 正規雇用の減りっぷりについて

    ► 2024 (11) ► 3月 (7) ► 2月 (3) ► 1月 (1) ► 2023 (71) ► 12月 (7) ► 11月 (2) ► 10月 (4) ► 9月 (10) ► 8月 (6) ► 7月 (6) ► 6月 (8) ► 5月 (5) ► 4月 (2) ► 3月 (6) ► 2月 (9) ► 1月 (6) ► 2022 (88) ► 12月 (3) ► 11月 (3) ► 10月 (7) ► 9月 (5) ► 8月 (9) ► 7月 (8) ► 6月 (9) ► 5月 (8) ► 4月 (8) ► 3月 (10) ► 2月 (11) ► 1月 (7) ► 2021 (64) ► 12月 (5) ► 11月 (6) ► 10月 (9) ► 9月 (4) ► 8月 (7) ► 7月 (10) ► 6月 (2) ► 5月 (3) ► 4月 (3) ► 3月 (6) ► 2月 (

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  • 2014年7-9月期GDP速報値は大きな景気後退を示していない

    各所で話題になっている2014年第3四半期GDP速報値だが、中身を見ていくとそんなに悪い数字ではなかったようだ。 二期連続のマイナス成長は良い数字では無いのだが、民間在庫品増加の寄与度-0.6が大きいため、在庫調整が進んだ結果だと言えるからだ。4-6月期にGDP比で1.2%ほど民間在庫品増加が記録されていたのだが、増税前の在庫圧縮と7-9月期の在庫処分で調整が完了していれば、10-12月期はプラス成長に戻ることになる。そもそも全体の-0.4と言う数字は2013年10-12月期と同じであり、大きな景気後退ではない。 良いニュースもあって、『[2]雇用者報酬の動向』を見ると概ね増加傾向になっている。これは雇用者数が順調に増加している事を反映しているのだと思う。なお、雇用者数を見ると1997年は上下しているのだが、2014年は今までは順調に増加している*1ので、増税ショックが人々の予想外と言うほ

    2014年7-9月期GDP速報値は大きな景気後退を示していない
    Amrak
    Amrak 2014/11/26
  • あらゆる政権の経済運営を批判する前に

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  • 景気悪化で消費増税を延期しますが、景気回復で法人税が増えます

    景気の悪化を受けて、消費税率10%への引き上げを1年半ほど延期することが政府内部で検討されていると報道されている(Reuters)。一方で、景気の回復を受けて、法人税が大幅に増えると報道されている(Reuters)。政策を議論する前提である景気判断が、どうなっているのか良く分からない。景気は悪化しているのであろうか、回復しているのであろうか。 企業業績は良い。10月の企業倒産件数は1990年以来の低水準で、上場企業の9月中間決算は概ね好調だ。鉱工業生産指数も前月比で改善し、4月からの不調が改善に転じた。機械受注は4カ月連続増加している。ただし、景気DIは三ヶ月連続で悪化した。 雇用情勢も悪くは無い。9月の完全失業率は3.6%と低い水準で就業者数も雇用者数も増加している。大学4年生(2015年卒者)の内定状況は前年度より好調で、9月末の高卒内定率も各県で高い水準だと報道されている。有効求人倍

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    Amrak 2014/11/14
  • 日本銀行から見たマクロ金融政策を語る本

    第2次安倍内閣の経済政策“アベノミクス”の第一弾として黒田日銀総裁が誕生し、黒田バズーカこと異次元緩和が行なわれて世間の注目を浴びているマクロ金融政策だが、各所から論評されてはいるものの、中央銀行の視点を良く説明している一般書はほとんど無いと思う。そのため少なく無い誤解が過去の、そして現在の日銀行に向けられており、中には憤慨している人すらいるようだ。そういう人は、日銀出身で京大で教鞭をとる翁邦雄氏の『日銀行』を読むべきだと思う。日銀も無責任にマクロ金融政策を展開しているわけではなく、長い金融史で培われた心配事があるわけで、このを読めばそう世の中単純ではないと分かるはずだ。 プロローグから著者は巷の浅薄な金融政策論に不満をもって書を執筆したと分かるが、特定の政策を強く奨めるものではない。第1章で世界の中央銀行設立史を、第2章で世界の金融政策の失策例を紹介した上で、第3章で日銀行の設

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    Amrak
    Amrak 2014/11/13
  • 今のアフリカはこんなもんだと分かる『経済大陸アフリカ』

    身近にアフリカ出身者はそうはいないであろうから、日人から見て心理的に遠い地域と言えばサブサハラ・アフリカだと思う。今度のエボラ出血熱の広がりで、リベリア、ギニア、シエラレオネの位置を地図で確認した人は多いはずだ。また、『ホテル・ルワンダ』と言う映画があったが、政治的に不安定な危険地域で経済的に停滞しているイメージがあると思う。しかし、近年の資源高でサブサハラ・アフリカの経済状況は変わりつつあるらしい。この変化を包括的に論じたのが、「経済大陸アフリカ」だ。広大なアフリカ大陸の現代事情を叩き切るという無理がある内容で、中国アフリカ関与を最初の章に持って来るなどキャッチーな面もあるが、一般書としてはバランスが取れたになっていると思う。 1. 資源高、投資流入、消費爆発、しかし低生産性 著者は国際開発の歴史を踏まえて、データからアフリカの現状を見ていっている。1950年ぐらいから2000年ぐ

    今のアフリカはこんなもんだと分かる『経済大陸アフリカ』
  • 在日韓国・朝鮮人はなぜ帰化をしないのか?

    「在日はなぜ帰化しないのか」と言う当初は事実誤認が多かった*1池田信夫氏のエントリーをもとに、なぜか終戦直後の朝鮮人の地位を巡る話が続いたようだ(togetter)。しかし、池田氏のエントリーからそうなのだが、今でも帰化しない人々が多くいることの説明になっていない。また池田氏もその批判者も、当時の複雑な状況は無かった事にしている。 1. 終戦後、全ての在日朝鮮人に日国籍が与えられなかった経緯 1945年8月の終戦によって朝鮮*2の喪失は予定されたことになった*3が、具体的な処理が確定していなかったので、朝鮮人の日国籍は保持されていた。政府は処理が確定するまで従来通りの扱いを行なおうとしたが、帝国議会で清瀬衆院議員が少数民族の集団が政治力を持つ事を強く懸念し*4、非日人になる事を前提とした取り扱いとなっていく。1945年12月の選挙法改正、1947年5月の外国人登録令にはこういう背景が

    在日韓国・朝鮮人はなぜ帰化をしないのか?
  • 浮浪者には家を与える方が安くつく

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  • 従軍慰安婦問題が大きくなった原因として過剰評価される朝日新聞

    従軍慰安婦問題で朝日新聞の責任を問う声が大きい*1。産経新聞などは鬼の首をとったかのように連日、批判的な記事を書いている。朝日新聞が信憑性の無い吉田清治氏の証言を広く報道したのは、報道機関の姿勢としては確かに問題がある。しかし、その後の韓国人や韓国政府の言動まで朝日新聞が責を負うべきかと言うと、そういう事は無いであろう。吉田証言や千田夏光氏の著作は朝日新聞の報道に関係なく知られていたし、韓国の左翼活動家は日の植民地政策を糾弾する材料に飢えていたからだ。朝日新聞が報じなくても、韓国左翼は従軍慰安婦問題に勘付いた。 1. 70年代から90年代の真偽を気にしない左翼活動 広く知られていない気がするのだが、日では70年代から徐々に在日韓国・朝鮮人を歴史的な被害者として認識しようとする動きが広まった。それまでは在日韓国・朝鮮人は、どちらかと言えば騒動などを起こす危険分子として認識されていたのだが

    従軍慰安婦問題が大きくなった原因として過剰評価される朝日新聞
  • 大日本帝国陸軍のへたれっぷりが分かる『日本軍と日本兵』

    終戦後、だいぶ時間が経ったせいか、太平洋戦争で日軍がどれぐらい弱かったのか良く認識できない人が増えてきたそうだ。脆弱で知られた大日帝国陸軍を賛美しだす人々までいるらしい。埼玉大学の一ノ瀬俊也氏の『日軍と日兵』は、そういう根拠不明な思い込みを、米陸軍省軍事情報部の兵員向け情報誌Intelligence Bulletinを中心に、大日帝国陸軍の実像を描くことで間接的に否定しようとするだ。数量として細かい戦果や被害は示されていないものの、陸軍の作戦行動の変遷やその妥当性についての知識を得ることができる。 描かれる大日帝国陸軍は実際のそれと近いと十分に信頼できるように思える。著者が「はじめに」で議論しているが、米軍のIntelligence Bulletinを参照しているのは正しい方向に思える。一方の当事者の刊行物であり偏った見方になる可能性が高いわけだが、米軍は兵員の生還率に配慮し

    大日本帝国陸軍のへたれっぷりが分かる『日本軍と日本兵』
  • 悪意があれば懲戒解雇、悪意が無ければ普通解雇

    捏造、改竄、剽窃が認定された理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの小保方晴子氏が開発したとされる刺激惹起性多能性獲得(STAP)幹細胞のNature誌に掲載された論文だが、理研の管理責任を問う声があがる一方で、早稲田大学の教育体制やその学風まで中傷し、さらに彼女の中学生の頃の読書感想文まで持ち出して人格攻撃を開始している人々もいる一方で、日の科学研究の信頼が揺らいでいると危惧する人も出てきた。そんな中、調査委員会の最終報告書が公表され、その後、小保方氏の記者会見が行われた。世間で小保方氏に同情の声が上がっているらしい*1が、その主張を汲み取っても、実質的な処分は変わらないであろう。 1. 小保方氏は他の研究者や世間を騙す意図は無いと主張 小保方Nature論文にある問題については、調査委員会と小保方氏の間で意見に違いは無いようだ。小保方氏は言い回しが気に入らないようだが、(1)博士

    悪意があれば懲戒解雇、悪意が無ければ普通解雇