施設に昨年8月から通う男性は、窓を拭き、排水溝を掃除し、庭の木を剪定し、壊れた所を修理する。体を動かすことが好きな彼が自主的に行う仕事だ(撮影/写真部・小山幸佑)この記事の写真をすべて見る AERA 2020年2月10日号より AERA 2020年2月10日号より 出所後に住むところもなく、万引きして再び刑務所に舞い戻る。こうした「累犯」を減らすため、受け入れ先を探し、受刑者とつなぐ「特別調整」が始まって10年。再犯を防ぐ一歩となる取り組みとは、どのようなものなのか。AERA2020年2月10日号は、その現場に迫った。 【グラフで見る】高齢受刑者はどんな犯罪を犯しているの? * * * 「面会に来てくれて、『戻る気はあるか』と言われたときはうれしくてね。さんざん迷惑をかけたのに、また受け入れてくれる。ありがたいことだなと……」 こみ上げる思いをこらえるように話す、73歳の男性。ここは神