アメリカの(それに準じてヨーロッパでも)本は往々にして分厚くて重い。満員電車に揺られながらコンパクトな文庫本で読書をする必要がないし(ちなみに欧米人がいちばん本を読むのはバケーションの時、つまり夏)、一方で、何でもあくせくしているこんな時代だからこそ、本を読むときは長い時間楽しめるものを、という欲求もあるからだろう。 来月下旬にようやく英語圏でも村上春樹の『1Q84』(上の映像はそのPV)が出るが、日本では3巻に分けられていたものが1冊で登場する(ゲラで見せてもらった時には1000ページぐらいあった)。スティーブン・キングのようなコマーシャルな作家も、ジョナサン・フランゼンのような純文学系の作家も新作を発表するときは、満を持して大作をぶつけてくることが多い。ファンとしては、長い間待たされてお腹が空いたところへ大盛りの料理が運ばれてくるようなもので、やったるでー、というわくわく感がある。 本