今すぐに1万円を手に入れるか、1週間待って2割増しの1万2千円を手に入れるか――仕事や労働などに対する報酬を得る方法で、こうした二者択一の状況を迫られた際、私たちの脳はどんな仕組みで回答を出しているのだろうか。その謎に迫ろうとするのが「神経経済学」だ。脳科学に経済学、心理学を融合し、人間の行動をよりよく説明しようとする学問だ。 (新井清美) 「では始めて下さい」 京都府精華町の国際電気通信基礎技術研究所(ATR)で、田中沙織・主任研究員が、脳活動を調べる機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)内に入った男性に声をかける。 fMRI内に設置したモニター画面上には、黄色と白の長方形が左右にひとつずつ並ぶ。それぞれに虫食いのような穴が開いており、手元のボタンを押していけば、穴がふさがっていく。黄色の方が穴は多く、ボタンを押す回数も多いが、報酬として得られるジュースが白色の1滴に対し、4滴もらえる。こう
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