2025年大阪・関西万博の目玉展示に急浮上している「月の石」。前回の大阪万博(1970年)と同じ展示を持ち出してくるとは、懐古趣味が過ぎる。 「月の石」の再展示構想をスクープした毎日新聞(24日付)によれば、米政府が再展示を検討中。日本の政府関係者も歓迎しているという。 そもそも、「月の石」が70年万博で人気を博したのは、前年に米国のアポロ11号が世界初の月面着陸を成功させたからだ。約4カ月後に着陸したアポロ12号が持ち帰った「月の石」が米国パビリオンに展示されると、あの興奮冷めやらぬ人々が殺到。当時の国民の3分の2にあたる延べ約6421万人が万博に詰めかけたのである。 あれから約55年。今では、わざわざ万博に足を運ばなくても格安で観賞できる。「月の石」は現在、国内2カ所の博物館で常設展示されている。東京・上野の国立科学博物館(科博)と福岡・北九州市のスペースLABO(北九州市科学館)だ。