《 『Voice』2012年5月号より》 矢崎総業のチュニジア撤退 いささか旧聞になるけれど、この1月に矢崎総業がチュニジアの工場を閉めたというニュースが入ってきた。 日本では、地震が起こったためにそれ以前の話はずいぶん昔のように思えるけれど、世界がジャスミン動乱に揺れたのはわずか1年ちょっと前、ごく最近のことだ。 でもその後、どの国も落ち着かない。エジプトは選挙は行なわれたものの、軍の動きもよくわからないし、どういうまとまり方をするのかいまだに不明だ。シリアは流血沙汰が続いていて、じわじわと事態が悪化しつつあり、このまま内戦状態で膠著しそうな感じだ。リビアはカダフィが更迭・殺害されてから、何が起きているのかみるのも恐ろしいほどだが、どのみちあまりニュースも流れてこない。でもきれいに国としてまとまるとは、とても思えない。 そのなかで、チュニジアは比較的落ち着いている印象だった。最初のころは