今週のコラムニスト:李小牧 〔2月11日号掲載〕 このコラムで先月、中国の防空識別圏設定のお陰でぎくしゃくする日中関係を打開するため、安倍首相に「チャンスがあれば開き直って堂々と握手するずうずうしさを持つべきだ」と説いた。 ただ、握手どころか首相として7年ぶりの靖国神社参拝という「ビンタ」を中国に浴びせたところを見ると、せっかくの「歌舞伎町大学」教授の名講義も残念ながら首相の耳には届かなかったらしい。 「軍国主義の心臓部」を訪れた安倍首相に「中国人の中の中国人」李小牧は怒り心頭──日本人の皆さんはそう思っているかもしれない。でも、私は今回の事態を必ずしも否定的には考えていない。 昨年秋、日本のある財団の招きで来日した中国人ジャーナリストと東京や関西を見学した。京都や奈良では金閣寺などを見たのだが、彼にとっても私にとっても、何より印象深かったのは靖国神社の遊就館を見学したことだった。 今年で