ロナルド・I.マッキノン死去。日本のリフレ派に多大なインスピレーションを与えた偉大な経済学者。まだ79歳と高齢者が多い経済学者の中ではまだまだこれからだったのに。残念です。 以下では、日本のデフレ問題とマッキノンの「円高シンドローム」の関係について簡単にふれます。 長期的な円高トレンドとそのトレンドの中での循環的な円安をロナルド=マッキノンと大野健一は、著作『ドルと円』の中で、「円高シンドローム」と名づけた。その概要は以下の通り。 (一) 日本の貿易収支黒字が拡大し始めると、米国サイドの保護主義圧力が高まると共に、米政府高官の円高容認が頻繁に聞かれるようになる。 (二) 日本の金融政策が円高と整合的な国内ファンダメンタルズを作り出すような「引き締め気味」の政策スタンスへと変化する(通貨当局による円高容認スタンスも含まれる)。 (三) 日本の物価が米国の物価に比べ下落し、デフレ的な傾向が強ま
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