トルコで15日に起きたクーデター未遂事件は経済成長と安定をもてはやされてきたエルドアン政権を大きく揺さぶるとともに、同盟国として信頼を置いてきた米欧にも衝撃を与えた。事件には不透明な部分が多いが、権力を掌握し、独裁傾向を一段と強めるエルドアン大統領の慢心と油断がその背景にあったのは否めない。 首謀者は空軍前司令官か 今回のクーデターの動きは最大都市イスタンブールや首都アンカラで15日夜に始まり、16日昼までにはほぼ鎮圧された。反乱派の将兵104人を含め民間人、警官ら265人が死亡、クーデターに加わったとして反乱派の約3000人が逮捕された。 最大の問題は事件の首謀者が誰だったのか、という点だ。トルコのメディアは、空軍のオズトウルク前司令官、シリア国境を管轄する陸軍第2軍司令官の2人が拘束されたと報道。同前司令官が首謀者だった可能性も指摘されている。実行の中心は中堅将校グループだったようだが