ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/mutsuji (41)

  • 「イエローベスト」の暴徒化に揺れるフランス、その不穏な正体

    ・フランスのマクロン大統領はビジネス界向けの改革を推し進め、企業経営者からは高く評価されてきた。 ・しかし、それ以外からは不満が相次ぎ、右派と左派の垣根を超えた大規模なデモ、イエローベスト運動を招いた。 ・マクロン政権の窮地とイエローベストの台頭は、特定の勢力に偏りすぎた政治の危うさを物語る。 「右派でも左派でもない」と強調し、政治への信頼を回復すると叫んで2017年に就任したマクロン大統領は、3週間続けてパリで発生した数十万人規模のデモとその暴徒化によって窮地に立たされている。この背景にはビジネス志向の急速な経済改革への不満があり、これは結果的に右派と左派の連携を生んでいる。 「革命とデモの国」の動揺 「芸術と美の国」であるフランスは「革命とデモの国」でもある。どちらも既成概念に囚われず、自らのセンスと意志で新たな境地を切り拓こうとする点で共通するが、11月半ばから毎週末発生してきた大

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    Baatarism 2018/12/03
  • インドの闇を象徴する世界一の彫像──日本メディアに問われるもの | 六辻彰二 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    ・インドで完成した高さ世界一の彫像は、インドの経済成長だけでなく、少数派であるムスリムの迫害をも象徴する。 ・しかし、日メディアはこれをほとんど報じておらず、そこには政府や経済界への忖度がうかがわれる。 ・独立した言論の府としての責任をメディアが果たさなければ、「知りたいように知る」風潮を後押しすることにもなる。 「世界一の...」と冠がつくものは一般的にメディアでよく取り上げられるが、10月末にインドでお披露目された高さ世界一の彫像に関しては話が別で、日メディアでその完成を伝えたのは、いくつかの海外メディアの日語版を除けば一部にとどまった。この彫像の建立は少数派の迫害と表裏一体といういわくがあり、インドの暗部を浮き彫りにするが、それと同時に日メディアの課題をもあぶり出している。 高さ世界一の彫像とは まず、世界一の彫像とはどんなものか。 これは「統一の像」と名づけられた、独立の指

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    Baatarism 2018/11/13
  • 「世界最大のごみ捨て場」中国の終焉──日本のプラスチックごみはどこへいく

    ・プラスチック製ストロー廃止など、プラスチックごみを削減する試みは各国で進んでいる ・そこには環境保護の意識だけでなく、プラスチックごみの「輸入」を中国が禁じたことへの警戒感をみてとれる ・日ではこの動きへの反応が鈍いが、プラスチックごみの削減はグローバルな環境保護だけでなく、国土保全の観点からも緊急の課題である 7月9日、スターバックスが全世界の店舗でプラスチック製ストローの使用をやめると発表。これと並行して、イギリスでは4月、アメリカのシアトル市では7月に、プラスチック製ストロー廃止の方針が打ち出された。 これに対して、日の政府や企業の反応は全体的に鈍い。 各国でプラスチック製ストロー廃止が進む理由としては、海洋汚染の防止といった環境保護が取り上げられやすい。しかし、この問題は、プラスチックごみを処分できる土地がもはやなくなりつつあることにも関連する。ストローにとどまらず、プラごみ

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    Baatarism 2018/07/26
  • 「プーチンによる平和」が生まれる中東―米ロ首脳会談でロシアが提示した「イスラエルとの取り引き」とは

    ヘルシンキで共同記者会見に臨むプーチン、トランプ両大統領(2018年7月16日) Leonhard Foege-REUTERS ・米ロ首脳会談でプーチン大統領は、イスラエルとシリアの兵力引き離しに言及した ・これに沿って、シリア領内のイラン軍事施設への攻撃を目指していたイスラエルは動きを停止させた ・「プーチンの平和」は中東における欧米諸国の無力さを際立たせる 7月16日のヘルシンキでの米ロ首脳会談をはさんで、発言が二転三転するトランプ大統領と対照的に、プーチン大統領は着実に歩を進めているようだ。アメリカ大統領選挙への介入と比べて、西側メディアでとりあげられる頻度がはるかに少ないシリア情勢でも、それはうかがえる。 7月22日、イスラエル軍はシリア南部で人道活動に当たってきたNGOのシリア民間防衛隊、通称ホワイトヘルメットの800名をヨルダンに移動させると発表。イスラエル軍によると、ホワイト

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    Baatarism 2018/07/25
  • 米中貿易戦争が示すアメリカの黄昏

    北京で習近平国家主席との共同記者会見に臨んだトランプ大統領(2017年11月9日)Damir Sagolj-REUTERS ●トランプ政権は中国への関税を一方的に引き上げることで、アメリカ自身が生み出してきた自由貿易体制を侵し始めた ●一方、反保護貿易を掲げ、「自由貿易の旗手」とも目される中国は、アメリカが負担し続けてきた、自由貿易体制を維持するコストを肩代わりする意志も力もない ●米中貿易戦争は、「全体の利益すなわち自らの利益」という構造を生み出す超大国の不在を象徴する 7月6日、アメリカ政府は340億ドル相当の中国製品に対する関税を25パーセント引き上げ、中国政府は即日これの対抗措置として、やはり340億ドル相当のアメリカ製品の関税を引き上げた。トランプ大統領は関税引き上げの対象が最終的に5000億ドルにのぼる可能性を示唆しており、追加関税の応酬は今後も続くことが懸念される。 ヒト、

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    Baatarism 2018/07/10
  • 【ロシアW杯】セネガル系選手はなぜセネガル代表でプレーするか? アフリカ・サッカーの光と影

    ロシアW杯一次リーグ・ポーランド戦に臨むセネガル代表(2018.6.19)Christian Hartmann-REUTERS ・セネガル代表メンバーの3分の1以上がヨーロッパ出身者で、「アフリカの才能の還流」は他のアフリカの代表チームでもみられる ・そこにはヨーロッパにおける人種差別の影響がみられるが、同時に「アフリカの才能の還流」はアフリカ各国の代表チームの底上げにもなる ・ただし、それは結果的に、ヨーロッパでプレーすることを夢見る子どもをい物にする闇ビジネスを加速させかねない 2002年の日韓大会以来、16年ぶりにW杯に帰ってきたセネガル代表は、海外のクラブチームに所属する選手だけで構成されている。これは、モロッコなど他のアフリカの代表チームが少なくとも何人かは国内リーグの選手も含んでいることと比べても異色だ。 そのなかには親がセネガル人でもヨーロッパ出身の選手も多く、23人中9人

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    Baatarism 2018/06/26
  • アメリカが離脱してロシアが立候補する国連「人権」理事会って何?

    アメリカが離脱表明した翌日の国連人権理事会(6月20日、ジュネーブ) Denis Balibouse-REUTERS <人権問題が一筋縄でいかないのはいつものことだが、アメリカが離脱して中露が理事国になるとしたらブラック過ぎる> 6月20日、アメリカ政府は国連人権理事会からの離脱を発表した。国連人権理事会は世界の人権問題を取り扱う機関で、ここからの離脱でアメリカの国際的孤立はさらに鮮明となった。 一方、アメリカの離脱により空席となった理事国の座は、ロシアが獲得の意志を示している。トランプ政権による一方的な行動が結果的に反米的な国の「敵失」につながる構図は、この問題でさらに強まるとみられる。 国連人権理事会とは何か まず、国連人権理事会とは何か。この機関は国連人権委員会を改組して、2006年に発足した。国連総会で選出される47の理事国(任期3年)で構成され、各地域に理事国の数が割り当てられて

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    Baatarism 2018/06/23
  • 【カンボジア総選挙】独裁者を支える日本の支援、中国との競争でますますやめられず

    4月8日、カンボジアでフン・セン首相と会談した河野太郎外相。公正な選挙を働きかけた、というが Samrang Pring- REUTERS ・日は相手国の内政に口を出さない傾向が強いが、それは独裁や人権侵害を黙認する結果にもなり得る ・「出来レース」のカンボジア選挙を支援することは、人権や民主主義を重視しない国というイメージを日に持たせることにもなりかねない ・相手国の政権が半永久的に変わらないという暗黙の想定が覆った時、カンボジアにおける日の立場を挽回することは難しい 開発途上国における選挙や民主化のための日の支援は、時に独裁的な政府を支援するものにもなる。 カンボジアでは与党が強権化し、最大野党カンボジア救国党の参加を認めない形で選挙を強行しようとしているが、日政府はこれに明確な批判をしないまま、選挙の実施を支援している。現職政権に何一つ注文をつけない日の支援は、人権や民主

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    Baatarism 2018/06/20
  • トランプ政権が米朝首脳会談の開催を焦った理由──北朝鮮の「粘り勝ち」

    ・米朝首脳会談が開催されなかった場合、北朝鮮だけでなく、米国も大きなダメージを受けていた ・トランプ大統領は、米朝首脳会談の開催をこれ以上引き延ばせないなかで、「最大限の圧力」や「短期間での非核化」を放棄した ・米朝首脳会談が短期間のうちに成果を出すと想定することはできないが、それでもトランプ政権にとっては大きなトロフィーが残る 米国トランプ大統領は6月1日、米朝首脳会談を6月12日にシンガポールで開催すると明言したうえで、「最大限の圧力という言葉をもう使いたくない」と発言。さらに同日、朝鮮労働党の金英哲副委員長とホワイトハウスで会談した際には「時間をかけて構わない」とも述べています。 これらの発言からは、少なくとも現段階において、圧力より協議を優先させるトランプ氏の姿勢をうかがえます。さらに、これまで強調してきた「完全かつ検証可能、不可逆的な非核化(CVID)」の一やりではなく、北朝鮮

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    Baatarism 2018/06/05
  • 急増するロヒンギャ難民の「二次被害」―人身取引と虐待を加速させる「ロヒンギャ急行」

    ・ミャンマーを逃れたロヒンギャ難民の少女や女性のなかには、人身取引の犠牲者になる者が多い ・彼女たちの多くは周辺諸国に密輸されており、とりわけ最近ではバスで隊列を組んでマレーシアに向かう「ロヒンギャ急行」が目立つ ・マレーシアでロヒンギャが、買春などだけでなく、虐待などの問題が深刻な家事労働に関わることが懸念されている バングラデシュに逃れていたロヒンギャ難民のうち62人が5月27日、帰国の途につきました。2017年11月にミャンマー、バングラデシュ両政府は難民帰還に合意しており、今後さらに多くのロヒンギャが故郷に戻れることが期待されています。 ただし、帰還後の安全への懸念や、親族が虐殺された心理的トラウマもあり、70万人以上とみられるロヒンギャ難民の多くがすぐにミャンマーに戻れる状況にはありません。 その一方で、少女や女性を中心にロヒンギャが周辺国で売りさばかれる事態も急増。なかにはバス

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    Baatarism 2018/06/01
  • 「歴史のリセット」を夢想するドイツ新右翼「帝国の市民」とは何者か

    昨年9月の独総選挙で第三党に躍進した極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の集会(5月27日、ベルリン) ・「帝国の市民」と呼ばれるドイツの極右勢力は、第二次世界大戦以前の国境がいまも有効だと主張し、現在のドイツ連邦共和国の正当性を否定している ・そのため「帝国の市民」メンバーは税金を払わず、公的の身分証明を破棄する一方、独自のパスポートを発行するなど、「架空の国」が実際に存在するかのように行動している ・現実にあるものを「誤り」と切り捨て、歴史のリセットという不可能な夢想にひたることは、イスラーム国(IS)にも共通する思考パターンである ドイツ内務省は5月22日、「帝国の市民(Reichsburger)」と呼ばれる極右勢力のメンバー450人が保有していた武器を取り上げたことを発表。2016年10月、同国南部のゲオルゲンスグミュントで「帝国の市民」メンバーが警官を射殺して以来、ドイツ

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    Baatarism 2018/05/29
  • 「トランスジェンダーであるだけで殺される国」パキスタンに「LGBT法」成立 | 六辻彰二 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    パキスタン初のトランスジェンダーのニュースアンカー、マルビア・マリク氏 Mohsin Raza-REUTERS ・パキスタンでトランスジェンダーの権利を認める法律が成立した ・イスラーム圏では性的少数者が差別されることが多く、パキスタンの事例は基的に個人の事柄である「性」が、国家によって法的に保護されるべき公的な事柄として扱われる、現代の世界の象徴でもある ・日ではLGBT法の議論がほとんど進んでおらず、性をあくまで「私事」として扱うことは、結果的に性的少数者の権利を保護しないことにつながる 2018年5月10日、パキスタン議会はトランスジェンダーの権利保護を定めたトランスジェンダー法を成立させました。 パキスタンは人口のほとんどをスンニ派のムスリムが占めます。イスラーム圏では性に関する伝統的な解釈が一般的で、同性愛に最も重い刑罰で死刑が課される国さえあります。 そのイスラーム圏の一角

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    Baatarism 2018/05/24
  • なぜ5月14日に米国はエルサレムで大使館を開設したかー「破局の日」の挑発

    70年前、イスラエルは独立を宣言し、パレスチナ人は家を追われた Ibraheem Abu Mustafa-REUTERS ・5月14日はイスラエルが独立を宣言した日であり、同時にパレスチナ人の「破局」が始まった記念日でもある ・この日に、イスラエルが実効支配するエルサレムで米国が大使館を開設したことは、イスラーム世界からみれば挑発以外の何物でもない ・高まる批判にもトランプ政権は強気の姿勢を崩さないが、これは米国が自分で自分の首を絞めることになりかねない 5月14日、米国の在イスラエル大使館がエルサレムで開設。これに対して、パレスチナ各地で抗議デモが発生し、イスラエル治安部隊の発砲により、ガザでは59名が死亡しました。 これに対して、クウェートが国連安保理の緊急会合の開催を求めるなど、イスラーム諸国から批判が噴出。しかし、米国政府は「死者の増加はパレスチナ側に責任がある」とイスラエルを擁護

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    Baatarism 2018/05/15
  • イランとイスラエルの「ミサイル応酬」ー米国を引っぱり出したいイスラエルの焦点は「米国防長官の去就」

    シリアのダマスカス上空を飛ぶミサイル。イランの軍事拠点を狙ったイスラエル軍のものと思われる(5月10日) Hezbollah Media Office/REUTERS ・イスラエルが「報復」を理由にイランをミサイルで攻撃し、直接対決の懸念が高まっている ・イスラエルはイランとの対決に米国を引き込みたいが、そこにはリスクも大きいため、トランプ政権の出方は不透明 ・ただし、マティス国防長官が離職した場合、米国がイラン攻撃に傾く可能性は大きい イランを取り巻く緊迫の度合いが、さらにエスカレートしました。5月10日、イスラエルは70発以上のミサイルで、シリアにあるイランの軍事施設を攻撃。イスラエル政府はこれを、同日イランがゴラン高原のイスラエル軍に20発のミサイルで攻撃したことへの報復と主張しています。 これに先立って、8日にイスラエル軍は、やはりシリアの首都ダマスカス近郊にあるイランの軍事施設に

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    Baatarism 2018/05/12
  • 米国によるイラン制裁の限界と危険性―UAEの暴走が示すもの

    トランプ大統領のイラン核合意の破棄は、スンニ派諸国との協力を念頭に置いたもの ・しかし、スンニ派諸国を率いるサウジアラビアのリーダーシップには限界があり、各国は個別の利益を追求する傾向を強めている ・スンニ派諸国の結束の形骸化は、米国―サウジアラビア―イスラエルの三角同盟による一方的な行動をむしろ生みやすい 米国トランプ政権は現地時間8日、イラン核合意の破棄を発表。イランへの制裁が再開されます。これに対してイランは核合意に残留する方針ですが、国内では穏健派ロウハニ大統領に対する強硬派の批判も高まっており、核開発が加速する懸念が高まっています。 米朝首脳会談はトランプ流「一人相撲」になるか―前哨戦としてのイラン核合意の破棄 ただし、トランプ政権が制裁を再開しても、イラン包囲網が成功するかは疑問です。イスラエルやサウジアラビアは米国を支持する立場ですが、核合意に署名した欧米諸国やロシアは破棄

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    Baatarism 2018/05/11
  • ルーマニアはエルサレムに大使館を移すか──「米国に認められたい」小国の悲哀と図太さ

    イスラエルのホロコースト歴史博物館を訪れたルーマニアのヨハニス大統領(2016年3月8日)  Ammar Awad-REUTERS ・ルーマニアの与党は、エルサレムに在イスラエル大使館を移設することを決定したと発表。 ・まだ大統領からの正式決定はないが、実現すれば「米国に認められるため」の小国ならではの外交戦術となる。 ・この問題で国際的に孤立を深める米国に敢えて付き合うことは「追随」ともいえるが、そこには「一番高く売れるタイミングで自分を売る」という、小国ならではの図太さをも見いだせる。 北朝鮮やシリアに世界の目が向いていた4月20日、ルーマニアの与党、社会民主党は在イスラエル大使館を現在のテルアビブからエルサレムに移転させる方針を発表。これに関して、ヨハニス大統領からの正式発表はまだありませんが、もし実現すれば2017年12月に米国トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都に認定して

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    Baatarism 2018/04/25
  • 【イラク日報問題】「イラクにも蛙がいる」自衛官のつぶやきが日本人に訴えるもの

    陸上自衛隊、イラク第1期派遣部隊の編成完結式(2004年1月16日) Katsumi Kasahara DL-REUTERS 自衛隊のイラク派遣の日報が公開され、その記述の端々にある自衛官の日常が「ほのぼのしている」とネットで話題です。4月17日には、もともと個別のPDFだった日報の全文を簡単に検索できるサービスも登場しました。 その一方で、軍事関係の情報はそもそも多くの国で機密扱いが原則で、統合幕僚監部所属の三佐による「国民の敵」発言にあるように、その公開に批判的な意見もあります。 確かに、安全保障にかかわる問題全てを公開するべきでないでしょう。とはいえ、その経緯はともかく、少なくとも今回イラク日報が公開されたことは、国民の信頼を醸成する転機になったという意味で、防衛省・自衛隊にとって大きな意義があったといえます。 日報で描かれたイラク 公開された370日分のイラク復興支援群の日報には、

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    Baatarism 2018/04/23
  • シリア攻撃で米国が得たもの──「化学兵器使用を止める」の大義のもとに

    欧米がシリア攻撃を開始した4月14日未明、首都ダマスカスの上空を飛んだミサイル SANA/REUTERS ・シリアへのミサイル攻撃は「化学兵器の使用」を理由にしている ・しかし、トランプ政権には北朝鮮への威嚇、ロシアに一矢報いること、国内世論の支持を集めること、などの目的をうかがえる ・これらの目標が達成されるかは不透明だが、それと引き換えに行われたミサイル攻撃は、ロシアとの緊張をこれまでになく高める 現地時間の4月13日、トランプ大統領はシリアへのミサイル攻撃を命令。東グータで化学兵器が使用された疑惑に関して、米国政府はこれがシリア軍によるものである証拠をもっていると強調し、英仏もこれに呼応するなかでの攻撃でした。 米国は約1年前の2017年4月7日にもシリアを59発の巡航ミサイルトマホークで攻撃していますが、その時と同様、今回も「アサド政権による化学兵器の使用を止めさせること」を大義と

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    Baatarism 2018/04/16
    これについては、トランプが大統領でなかったとしても、似たような行動をしていたと思う。
  • シビリアンコントロールだけでない自衛隊日報問題の根深さ──問われる「安全神話」

    2017年3月、国会で答弁する当時の稲田朋美防衛相。このとき「ない」と言っていた自衛隊のイラク派遣時の日報が今回、出てきた Issei Kato-REUTERS ・これまで政府は危険な地域に自衛隊を派遣する際も、国内世論への配慮から「安全」を強調してきた ・とりわけ危険なイラクや南スーダンへの派遣は、防衛省・自衛隊よりむしろ、政府首脳や外務省の主導で行われた ・今回の日報問題は、「文民による自衛隊の監督のあり方」だけでなく、「文民が自衛隊をどのように運用してきたか」をも再考する糸口になる 南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)の日報に続き、イラク派遣での自衛隊の日報の存在が明らかになった問題は、「防衛省・自衛隊のガバナンス」や「シビリアンコントロール」の問題として関心を集めています。しかし、そこにはもう一つの問題が潜んでいます。 防衛省によると、昨年3月に陸上自衛隊研究部(現・教育訓練

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    Baatarism 2018/04/12
  • IS「シリア帰り」に厳戒態勢の中国・新疆ウイグル自治区──テロ対策のもとの「監獄国家」

    中国の新疆ウイグル自治区ではプライバシーがゼロの監視体制が生まれている ・当局は「ISのテロ対策」でこれを正当化している ・しかし、実際にISの大規模なテロが発生する可能性と比べて、その取り締まりは不釣り合いなほど厳しい ・中国当局は「テロ対策」を利用して少数民族支配を強化しているが、それは結果的にテロの芽を大きくしかねない 習近平体制のもと、中国はもはや「監獄国家」と呼べる水準に近づいています。市民への監視、思想統制、移動の制限は、とりわけムスリムのウイグル人が多い新疆ウイグル自治区で強化されています。 深刻な人権侵害をともなう少数民族の取り締まりを中国当局は「テロ対策」と説明しています。しかし、新疆でイスラーム過激派のテロが実際に発生する危険性に比べて、中国当局の対策は不釣り合いなほど厳格。そこには「テロ対策」を名目に少数民族支配を強化し、中央アジア方面への進出の足場を固めようとする

    IS「シリア帰り」に厳戒態勢の中国・新疆ウイグル自治区──テロ対策のもとの「監獄国家」
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    Baatarism 2018/04/05