〈問い〉大江健三郎さんの『沖縄ノート』をめぐる訴訟の控訴審判決の記事で「さらに力を込めて歴史修正主義とたたかっていく」という言葉がありました。「歴史修正主義」とはどういうことをさすのですか?(兵庫・一読者) 〈答え〉「歴史修正主義」とは、一般に、侵略戦争や植民地支配、軍隊等による組織的残虐行為など、こんにち批判的な評価が定着している事象について評価を逆転させて支持・擁護する主張をさす用語です。 もともとは、欧米で「ナチス・ドイツによるユダヤ人大量殺りく(ホロコースト)はでっちあげ」などと主張する論者が、自らをリビジョニスト(修正主義者)と名乗って活動していたことから、広く使われるようになったとされています。 歴史学は、過去の事実を確定し、批判的に評価してそれを再構成する学問ですから、その通説が時代の変化や新たな史料の発見などによって「修正」されるのは当然のことです。しかし「歴史修正主義」は