論文執筆で忙しいさなかですが(いつのまにか次の締切が近づいてきました)、田母神前空幕長の更迭問題に絡んで、「言論の自由」についての言説が飛び交っているようです。この言葉の使い方が前から気になっていたので、ちょっと言論の自由について書いてみたいと思います。 まず、マスコミや歴史学者が田母神前空幕長の「論文」と称するものの「内容」を、「事実に反する」とか「中学生以下」と批判しているのに対して、ものを自由にいう言論の自由はないのかと怒っている人がいます。今回の問題に限らず、ブログで書いたことを批判されると「言論の自由はないのか」と言ってしまう使い方は前から気になっていました。言論の自由は、その内容にかかわらず、意見を公表することを妨げることに対する「自由」の主張です。公表した後で批判されるのは当然引き受けなければなりません。ある言論の「内容」に対してはあくまでも言論で対するというのが「言論の自由