第22回日本緩和医療学会学術大会(大会長=帝京大・有賀悦子氏)が6月23~24日,パシフィコ横浜(横浜市)にて医師・看護師ら8857人の参加者を集め開催された。本紙では,二人主治医制を実施する意義と,在宅における医療用麻薬の使用推進について議論された2つのシンポジウムについて報告する。 患者に伴走する二人主治医制 がん治療を受ける患者に対しては,生活全般を見る視点が欠かせない。シンポジウム「腫瘍内科と緩和ケアが力を合わせて伴走する二人主治医制」(座長=あおぞら診療所・川越正平氏,千葉県がんセンター・坂下美彦氏)では,初めに座長の川越氏が趣旨説明を行った。がん患者が早期から必要としている支援例として,①疾病や症状に関する理解の助け,②自己管理の方法を知り,日々の生活に活かすこと,③情報収集を支援してもらい,質を吟味すること,④患者家族の不安や相談を受け止めてもらい,孤立を防ぐこと,⑤Adva