東南アジアの各国が法令で定める最低賃金を大きく引き上げている。新興国の賃上げは消費の市場を広げるが、生産性の伸びを上回る賃上げは外資の投資を鈍らせる恐れがある。自国民の優遇を強める政権の姿勢が背景にあり、労働力が安価なカンボジアの最低賃金も数年後にはマレーシアなどに追いつく。新興国のポピュリズム的な政策を前に、日本企業もアジア進出の戦略見直しを迫られる。輸出品の6割を縫製業が占め、日本企業の進
小池晃・共産党書記局長(発言録) 史上空前の利益を上げている大企業への減税をやめれば、社会保障の財源ができる。大企業には十分体力はある。 トヨタ自動車の3月期決算を見てみたら、子会社も含めて連結内部留保は約20兆円。毎日1千万円ずつ使っていくとする。想像できませんが、使い切るのに5480年かかる。縄文時代ぐらいから使い始めて、ようやく最近使い終わる。 このお金を生かしたら、何ができるか。内部留保を賃上げに回す。正社員の雇用を増やす。そうすれば、トヨタの車はもっと売れるようになる。トヨタ自動車の未来を考えて、私は言っている。法人税の減税をやめて社会保障の財源に回せば、将来不安が取り除かれる。そういう人がトヨタの車を買うかもしれない。こういうのを、経済の好循環と言う。 安倍さんの経済政策は破綻(はたん)が続いています。3本の矢、新3本の矢、合計6本も放って一つもまともに当たっていない。(川崎市
9日投開票のフィリピン大統領選は、実績はあるが暴言が絶えない“フィリピン版トランプ“と言われるロドリゴ・ドゥテルテ・ダバオ市長が、蔓延する犯罪や薬物問題を一掃した強いリーダーシップや現政権への不満を背景に、世論調査の支持率で他候補を大きくリードし、選挙戦を有利に展開。 フィリピンでは勝者決定には多数代表制が採用され、過半数を超えたか否かに関係なく、得票率が最も多かった候補者が次期大統領の座を勝ち取ることになり、(日本時間9日深夜の政府非公式発表や政府認可選挙監視組織「PPCRV」などによる情勢から)ドゥテルテ市長がフィリピンの新大統領に選ばれることが確定的となった。 一方で、教会で拾われた清廉潔白のイメージが売りの”元孤児“の女性上院議員のグレース・ポー氏や、アキノ大統領の後継指名を受け選挙戦終盤、組織力と資金力で支持率をじりじり上げてきたマヌエル・ロハス前内務・自治相は、結局、獲得票が伸
米共和党ネバダ州党員集会の開催中、ラスベガスの「トランプ・インターナショナル・ホテル」で撮影されたドナルド・トランプ氏(2016年2月23日撮影)。(c)AFP/JOSH EDELSON〔AFPBB News〕 これまでアメリカの大統領選挙にさほど関心を持ったことはない。論じるほどにアメリカのことを知らない。それでも今度の大統領選挙は、いままでになく面白い。アメリカの人々の気分、感情が見事に反映しているかのように思えるからだ。 “専門家”はトランプは失速すると言っていたが 私の今年の仕事始めは、正月早々のテレビでの討論会だった。慰安婦問題での日韓合意などが議論になったのだが、米大統領選挙も取り上げられた。その時点で私が知っていた大統領候補は民主党のヒラリー・クリントン氏と共和党のドナルド・トランプ氏ぐらいであり、議論に参加するほどの知識もなかったので、ただ黙って他の人たちの話を聞いていた。
多重危機に見舞われている欧州。もしユーロ圏の大国で極端な政治思想を持つ指導者が政権を握ったら、どうなるか・・・ (c) Can Stock Photo ジョン・ワイツによるヒャルマール・シャハトの伝記『Hitler’s Banker(邦訳:ヒトラーを支えた銀行家)』を読み返したら、これまで筆者が考えていなかった1930年代と現在の興味深い共通点に気づいた。 ヒトラーが再軍備計画の資金を賄うために、配下の中央銀行総裁だったシャハトに頼ったことは、よく知られている。 だが、ワイツは――そしてここが今日のユーロ圏に潜在的に関係するところだが――、シャハトがライヒスバンク(ドイツ帝国銀行)で非伝統的な政策を追求できたのは、ひとえに独裁者の後ろ盾があったからだとも指摘している。 例えばイタリアやフランスなど、ユーロ圏に属する大国で極端な思想を持つ指導者が権力を握り、もし彼らがシャハトの才覚を持った中
2015年は、不安な気持ちと嫌な予感がすべての大国の中心都市に住み着いたかのように思われた年だった。北京からワシントン、ベルリン、ブラジリア、モスクワ、そして東京に至るまで、政府もメディアも市民もびくびくし、苦境に立っていた。 このような形で不安感が世界中に広がるのは珍しいことだ。 過去30年以上にわたって、強気で楽観的な大国が常に1つはあった。 1980年代の後半には日本が数十年間に及ぶ景気拡大をまだ謳歌しており、自信に満ちた様子で世界各地の資産を買いあさっていた。 1990年代には米国が冷戦の勝利と長期の景気拡大という恩恵に浴していたし、2000年代の初めには、共通通貨を導入したり加盟国を2倍近くに増やしたりした欧州連合(EU)が活気づいていた。そして過去10年間は、政治と経済の両面で成長を続ける大国の中国に世界中が敬意を表することがほとんどだった。 すべての大国が不安に苛まれる時代
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