原発の運転再開に向けて、電力会社は、ことし7月以降、新たな規制基準に適合するかどうかの審査を国に申請することになります。NHKが、原発を持つ電力会社など10社に現時点での適合状況を尋ねたところ、四国電力の伊方原発で運転再開の前提となる対策を比較的、整えていますが、すべての原発で想定する津波は「検討中」としていて、運転再開に向けた具体的な見通しは立っていません。 NHKは、今月上旬、電力会社など10社に国内にある原発50基すべてについて、新たな規制基準で要求している対策のうち、運転再開の前提になるものについて現時点での適合状況を尋ねました。 フィルターベント まず、新基準では、格納容器の破損を防ぐために圧力を下げる「ベント」を行う際、放射性物質の放出を抑える「フィルターベント」の設置を求めていて、国内の原発の半数以上の26基を占める福島第一原発と同じ「沸騰水型」の原発では、運転再開までの設置