【カイロ=高橋友佳理】軍によるクーデター後の混乱が続くエジプトで、サッカーの試合中に暫定政府への批判を意味する、4本指を立てるしぐさをしたとして、選手が出場停止処分になった。先月、同様のマークを描いたTシャツを着たカンフー選手も出場停止処分を受けた。言論統制が、スポーツ界にも広がりつつある。 地元メディアによると、事件があったのは、カイロで10日開かれたサッカーのアフリカ・チャンピオンズリーグの決勝戦。優勝した地元有力チーム「アルアハリ」の選手が2点目のゴールを決めた後、親指を折り、残り4本の指を立てた。これに怒ったアブゼイド・スポーツ相が、書簡でチームの経営陣に真相究明を求めたという。チームは11日、選手の出場停止を発表。経営陣は選手を取り調べ、取り調べが終わるまで無給とすることを決めた。 問題とされた選手は「政治的な意味はなく、すべての(クーデターの)犠牲者への敬意を示しただけ」と釈明