ただ、私は違和感を覚えた。その図は、太陽光の有効活用の可能性を示した象徴的なものにすぎないのだろうが、いったい何の意味があるのかと思ったのだ。「太陽光があれば、こんな小さな面積で世界中の電気さえ賄える」と思わせるためのトリックのような気さえした。 後で調べてみたら、案の定、これは小さな面積ではなかった。世界中の電気需要をカバーできる面積である1辺300km四方と言うのは9万km2で、およそ四国の5倍。豆粒の方は360km2だから、東京23区の6倍だ。 ところが、当時、この計画はすでに進められようとしていたのだ。 デザーテック・ファウンデーションという非営利団体がある。名前が表すように、砂漠の太陽と風エネルギーの高度な活用を目的としている。 デザーテックの構想というのは、サハラ砂漠に太陽光と風力の発電施設を作り、そこで発電した電気を、高圧直流ケーブルでヨーロッパ、アフリカに送電するというもの