「米国の大統領と中国の国家主席は、お互いにどう話しかけたらよいのかよく分からずにいる。異なるオペレーティング・システム(OS)で動いているコンピューターのようだ」。これは筆者がかつて、数々の米中首脳会談を間近で見てきたある米政府高官から聞いた意見だ。 そのため、先週行われた習近平国家主席とバラク・オバマ大統領の会談は建設的なものだったと双方が強調しているものの、筆者は疑いを抱いている。というのは、中国と米国は世界の見方が著しく異なっているからだ。筆者には、大きな相違点が5つ見て取れる。 (1)循環的vs直線的 中国の歴史は非常に長く、米国の歴史は非常に短い。習主席は「中国は古代から続く文明だ。5000年の歴史がある」という表現を好んで使う。一方の米国は、国ができてまだ250年にも満たない。 この視座の違いは、世界に対する両国首脳の考え方に大きな影響を及ぼしている。大まかに言えば、中国人は物