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ブックマーク / sci-tech.jugem.jp (9)

  • 予測できるのは“いま”しかない | 科学技術のアネクドート

    たとえば、1970年代には「地球は寒冷化する」と懸念されていた時期がありました。石油などの化石燃料を燃やすと空気のなかにちり・ほこりが増えるため、太陽の光が地球の表面に届きにくくなり地面が暖まらなくなる、といったようなことが寒冷化の理由として挙げられました。 こうした予測のなかには、「二酸化炭素が増えると温室効果により温暖化につながる」といった、いまでは主流となっている科学的理論は含まれていませんでした。温室効果がよりあきらかになるにつれて、その要素が予測に加えられて、いまでは「地球は温暖化する」といわれるようになっています。

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    FeZn 2009/10/21
  • 書評『安全。でも、安心できない…』 | 科学技術のアネクドート

    頼れる人物と頼れない人物のちがいとは何なのでしょうか。日頃から立場的に頼られたいと思っている人は、このを読むと答が見えてくるかもしれません。 『安全。でも、安心できない…――信頼をめぐる心理学』中谷内一也 ちくま新書 2008年 208p このは、リスクという概念やある物事のリスクを市民に知らせる「リスク・コミュニケーション」について書かれたものだ。でもリスクの話のみに捉えられてしまうのはもったいない。主題が「信頼」だからだ。 世間には「あの人の言うことはどうも信用ならん」という印象をあたえる人がいる。いっぽうで「あの人の言うことなら信用してもいい」と感じさせる人もいる。このを読めば、その違いが見えてくる。 まず著者は、市民がある物事について安心を得るまでの過程を、「二重過程理論」という理論で説明する。人が「それは安全か危険か、どのくらいのリスクか」と知りたいとき、とことん調べあげる

  • 吉岡幸雄さん「華やかな色こそが日本の伝統色」 | 科学技術のアネクドート

    今年2008年は、紫式部が『源氏物語』を著してから1000年。さまざまな記念行事や催しものが行われています。 12月11日(木)から16日(火)まで、東京の日橋タカシマヤでは、「千年紀―源氏物語の色―染織家 吉岡幸雄の仕事」が開かれています。 吉岡幸雄さんは、京都・伏見にある「染司よしおか」の染師。源氏物語に見られる色彩美を、絹などの染め物で再現することを畢生の仕事としています。東大寺の「お水取り」に染め和紙を奉納するなどの活動も行っており、『日の色辞典』や『日の色を染める』などの著書も多数あります。 催しものの期間中は、午前11時から約45分間、吉岡さんが手がけた染め物を自らで解説します。源氏物語を深く読み込み、そこから現れ出る“色”を、染め物で再現します。 たとえば、第14帖の「澪標」。都落ちをして須磨で嵐に遭っていた光源氏は、嵐が治まるよう住吉の神に祈ります。また夢の中で、源氏

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    FeZn 2009/01/01
  • 科学技術のアネクドート -「ロボットは街でかならず死亡事故を起こすでしょう」

    画像はイメージで文内容とは関係ありません 科学技術にはいろいろな分野があります。その分野が進歩するほど、進歩したからこその問題もいろいろと出てきます。 生物学が進んだからこそ、クローン技術でヒトをつくってよいかどうかといった問題が生まれました。大きな視点では、技術全般が進歩したからこそ環境が問題化した点もあるでしょう(逆に技術力で環境がよくなった例も多いけれど)。 あることが解明されると先のことを知りたくなる。しかも自分の手によって知りたくなる。これが科学者の来の性格だといわれます。この推進力は、いろいろな分野での進歩と、それに伴う問題の原因の一つにもなるでしょう。 先を知りたいからといって、問題を無視するようなことは、最近の「安全・安心」を求める社会では通じなくなってきました。そこで、研究者たちは自分たちによって「自主規制」を設けることがあります。 これから、そうした研究者による自主

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    FeZn 2008/12/29
  • 米国に受け入れられた「ポカよけ」 | 科学技術のアネクドート

    ものつくりの現場である工場ラインでは、人が誤りをおかしたとき大きな害にしないための安全策が何重にもはりめぐらされているといいます。 この安全策を追い求めた人物が、日技術者・新郷重夫(1909-1990)でした。新郷は日能率協会の職員として、また1959年の独立後は自由業の身として、企業の品質改善を指導しつづけました。 トヨタ自動車や松下電器の工場ラインでの生産性向上を支援するなかで、新郷は「ポカよけ」の大切さを考えるに至ったといいます。 「あいつ、ポカしやがって」という状況を「よける」のが「ポカよけ」。人による誤りは起きるものとして、その影響を最小限にとどめることを目指す考えかたです。畑村洋太郎さんが提唱する「失敗学」での失敗の捉えかたと似ていますね。 坂九の「SUKIYAKI」が米国で有名になったのと同じく、「ポカよけ」も「Poka-yoke」として米国で広く知れわたる概念となり

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    FeZn 2008/11/16
  • 黒丸派対白丸派 | 科学技術のアネクドート

    や雑誌などの紙媒体の編集作業では、校了に近くなると「校正刷り」を出力します。校正用のためし刷りのことで、これを校正係にわたして誤字脱字を確認してもらったり、執筆者に送って内容を確認してもらったりします。 この段階では、よく「文字入力保留」という状態が起きます。 たとえば、仕上がったでは「35ページ図4参照」といった表記になるものの、校正刷り段階ではまだ頁と図の番号が流動的なため「35」と「4」という具体的な数を入れられないような状態です。 校正刷りの段階で「35ページ図4参照」と数字を入れてしまう編集者もいるでしょうが、その場合、校了間際に最初から最後まで確認する“素読み”の作業が必要になります。 たいていの編集者は、確定していない頁と図番号は「入力保留」とします。そのとき、保留であることをどう表現するでしょうか。 ある編集者は「●ページ図●参照」のように、黒丸をとりあえず入れます。

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    FeZn 2008/11/10
  • 「100%の安全はないと理解して」食と健康のコミュニケーション(1) | 科学技術のアネクドート

    きょう(2008年10月25日)、東京・四番町の科学技術振興機構(JST)ホールで、シンポジウム「現代を見る目、めざす未来 と健康のコミュニケーション」が行われました。主催は日科学技術ジャーナリスト会議とサイエンス映像学会、科学技術振興機構。 狂牛病、自給率の低下、毒入り餃子問題、農業の高齢化、賞味期限や産地の偽装、汚染米など、毎年のようにの問題は話題になっています。今回のシンポジウムは、このの問題を題材にして、社会と科学技術をつなぐ情報の伝え方と報道のしかたについて議論を深めるもの。 第1部の基調講演では、日学術会議会長の金澤一郎さんが「科学と社会の情報交換」という主題で話しました。 リスクの捉え方の難しさを金澤さんは強調します。狂牛病対策として、日では月齢21か月以上の肉牛に検査を行ってきましたが、「これまで41万頭を調べて、脳にプラスの反応が出たのは12頭」。 しかし、「

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    FeZn 2008/10/29
  • あまりに知られざる日本最古の神社建築 | 科学技術のアネクドート

    に現存する最古の神社建築はどこでしょうか。伊勢神宮でも、出雲大社でもありません。 京都・宇治市にある宇治上神社(うじがみじんじゃ)です。5世紀頃の応神天皇、その皇子の菟道稚郎子、そして兄の仁徳天皇が奉られています。 地元の人や歴史に詳しい人であれば、宇治上神社の名は知るところでしょう。しかし、知名度はあまり高いとはいえません。ホームページ検索でも、"伊勢神宮"1,090,000件、"出雲大社"2,890,000件に対して、"宇治上神社"はわずか42,100件しかありません。 神社建築は一般的に、礼拝を行うための手前にある「拝殿」(画像)、神に供える麻布を置く「幣殿」、神霊を奉安する「殿」からなります。ただし、宇治上神社には幣殿は見られません。 拝殿は、寝殿造りの風情があり、屋根は茅葺き。神社建築の原型にふさわしいような素朴なつくりです。飾りたてるような要素がほぼありません。 また奥の

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    FeZn 2008/09/26
  • 「言えと会社から言われておりまして」 | 科学技術のアネクドート

    会社に籍をおく研究者たちの会合に顔をだすことがあります。“勉強会”のようなかたちで、それぞれの企業の最先端研究の成果や見通しを発表しあうのです。 もちろん企業には企業秘密が。「きょうはよい天気ですし、わが社の研究をつつみ隠さず話しちゃいますよ」というわけにはいきますまい。「これ以上のことは、ちょっと言いづらいのでごかんべんを」となります。 でも逆に「これは言えと会社から言われておりまして」という場合もよく見かけます。とくに研究の題に入るまえの、会社紹介のところで「言えと会社から言われて」がよく登場します。 先日おこなわれた、ある工業技術分野の会合でも「言えと会社から言われて」が出てきました。最近では印刷だけでなく、電子工業分野でも成長いちぢるしい大日印刷の研究者が、こう切りだしました。 「弊社の前身は『秀英舍』といいまして、1876年に創業いたしました」 たんなる社史の話かと思って聞い

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    FeZn 2008/01/18
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