安倍政権は重大な犯罪の謀議に加わっただけで処罰対象となる「共謀罪」を創設する組織的犯罪処罰法改正の検討に入った。2020年の東京五輪に向けたテロ対策強化が狙い。ただ、特定秘密保護法が国民の「知る権利」を損なうと批判された直後でもあり、来年の通常国会への改正案提出が可能かどうかを含め、慎重にタイミングを見極める方針だ。 共謀罪は、重大な犯罪にあたる行為を「団体の活動」として「組織により」実行しようと共謀するだけで、実際に行動を起こさなくても罰する内容だ。 政府は00年に国連で国際組織犯罪防止条約が採択されたのに伴い、条約締結のために国内法の整備が必要として、03年から3度、関連法案を国会に提出した。ただ、対象となる犯罪が600以上にのぼることなどから、当局の恣意(しい)的な適用を懸念する世論の反発が起き、いずれも廃案となってきた。