「このような不完全な状態でグランプリを開催しなければならなかったことに関しては、個人的に情けない気持ちだし、観衆に対して申し訳なく思っている」 韓国初のF1グランプリ開幕を翌日に控えた10月21日木曜日。霊岩(ヨンガム)に建設された韓国インターナショナルサーキットの記者会見場に姿を現したKAVO(韓国オート・バレー・オペレーション)のCEO、チャン・ユンチョは詰めかけた海外メディアの前で謝罪した。 チャンCEOがそう語るのも無理はなかった。 心配されていたコースの視察は日本GP直後に行われ、韓国GPは開催1週間前にようやくゴーサインが出された。しかし本コース以外の準備を後手に回してしまったために、サーキット全体としての完成度がこれまでのどんな国の初グランプリに比べても相当に見劣りするという、大変みすぼらしい状態でのこけら落としになってしまったからである。 不安なままサーキットを訪れると……