徴用工判決めぐる「いやな感じ」の正体 内にも外にも戦争被害者への補償に冷淡な日本司法の風土が、日韓対立の背景にある 市川速水 朝日新聞編集委員 「あり得ない」「暴挙」VS「国民感情を刺激」「過剰反応」 韓国大法院が新日鉄住金に対する韓国人元徴用工への損害賠償を認めた10月30日以降、日韓の間に「いやな感じ」の言動が飛び交っている。 「1965年の日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決済み」と主張する日本は安倍晋三首相がその日のうちに「判決は国際法に照らして、あり得ない」と非難した。 河野太郎外相は翌31日、康京和(カン・ギョンファ)外相との電話会談で「両国の関係の一番の法的基盤が根本から損なわれた」と申し入れた。同日の自民党部会でも「韓国は国家としての体をなしていない」(中曽根弘文元外相)と批判が渦巻いた。 河野外相は連日、韓国批判の調子を強め、11月6日の記者会見では「暴挙」と批判した。