ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック) 11月9日に公開され、国内映画興行ランキングで1位を独走するなど大ヒットを記録している『ボヘミアン・ラプソディ』。クイーンのボーカリスト、フレディ・マーキュリーの半生をドラマティックに描いたこの作品が、単にクイーンやブリティッシュロックの熱心なファンだけにアピールするような内容だったら、これほどのヒットにはならなかったろう。それはフレディという特異な生い立ちとキャラクターを持った稀なるカリスマ・スターの光も影も過不足なく描き、様々なエピソードを(時に多少の映画的演出=事実の改変や誇張はあれど)無駄なく効率的に配列し、伏線も残らず回収した脚本の巧みさ、クライマックスの『ライヴ・エイド』の完全再現も含めた時代考証の正確さ、そして主にライブシーンを中心としたダイナミックな演出の見事さなど、いくつもの要因がある。 とはいえ、フレディというカリ