村上春樹と蜷川幸雄、世界的な才能が融合した舞台『海辺のカフカ』を見る機会がやってきた。日仏友好160年を記念した「ジャポニスム2018」の一環としてパリの観客を魅了し、5月、6月の東京がラストステージとなる。2012年の初演以来、主人公カフカの別人格・カラスを演じるのは、注目の若手俳優、柿澤勇人さん。文学を視覚化する蜷川演出の力を、身をもって体験してきた。 村上ワールドを視覚化 世界を驚かせた斬新さ 「君は彼女の中にある空白が満たされる音に耳を澄ます。浜辺の細かな砂が月の光に当たって砕けていくときのように、とても小さな音だ」(舞台『海辺のカフカ』カラスのセリフから)。 「村上春樹さんの文章には独特の雰囲気がありますよね。セリフにして発すると、とても演劇的なんです。それが、蜷川さんの作り上げた世界――照明と音響、俳優や舞台装置がアクリルケースに入って移動する場面転換――のなかで、より美しく響
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