(英エコノミスト誌 2010年12月18/25日合併号) 楽観主義が移動している。これは、現在希望に満ちた国にも希望を失った国にも、重大な結果をもたらす。 「希望」という言葉は、「変化」と並んで、政治の世界で最も乱用される言葉だ。とはいえ、希望が大いに重要であることは間違いない。 政治家は、方向が正しいか間違っているかを測る指標に細心の注意を払う。信頼感の有無によって、消費者がお金を使うかどうか、企業が投資をするかどうかが決まる。ノーマン・ヴィンセント・ピールが指摘したように、「ポジティブ思考の力」は偉大なのだ。 これまで400年間、楽観主義という点では、欧米諸国は他の地域に対する比較優位を保ってきた。欧米の知識人が啓蒙と進歩の理念を紡ぎ上げ、欧米の実務家がテクノロジーを駆使して自分たちの意志を他の地域に押しつけた。 アメリカ合衆国の建国の父たちは、自分たちが作った国が過去のどんな国家より