ドイツ連邦議会(下院)は7日、月末の総選挙を前に最後の本会議を開き、第2次大戦下の軍事裁判で軍人らに「国家反逆者」として言い渡された有罪判決を一律に取り消す「包括的名誉回復法案」を全会派の賛成で採択、成立させました。ナチスに抵抗し、有罪判決を受けた旧軍人が戦後64年にわたって「犯罪者」と扱われていたことは同国の「最後のタブー」とされていました。(夏目雅至) ナチス政権は、1943年に軍事刑法を改定し、軍人の脱走、ユダヤ人の逃亡支援、戦争批判発言などにも死刑適用を拡大しました。第2次大戦中に軍事裁判で死刑判決を受けた人々は約3万人におよび、うち約2万人が処刑されました。戦後も迫害を受けてきた旧軍人やその遺族は90年に「全国ナチス軍事裁判被害者協会」を結成、名誉回復を求めてきました。 ツィプリース法相は「長い間忘れ去られていたナチス裁判の犠牲者の尊厳が回復された。兵士のナチスに対する抵抗を高く