尖閣問題を契機に、領土の保全に対する関心が高まっている。それ自体は結構なことだと思う。しかし、国境地帯の孤島に目が向く一方で、現に人が住んでいる辺境についてみんな無関心でいることには合点がいかない。 日本は長い海岸線を持ち、多くの離島を持っている。そして、列島の隅々に人が住み続け、長年多様な生業に勤しんできた。それこそ、日本の文化の土台である。しかし、地方交付税の削減を始めとして、この十年ほど効率化の発想で地方切り捨ての政策が進められてきた。医療、教育の地域格差は広がった。小泉政権時代の規制緩和のブレーンであった宮内義彦氏は、北海道の人口は2,3百万人もいれば十分と公言したくらいで、田舎に住む人は政府にとってお荷物だというのが、最近までの国策であった。 国土を守れというなら、今人が住んでいる離島や山間部こそ大事にすべきである。最近、中国資本が山林や農地を買いあさっているといわれている。これ