横浜事件・立川反戦ビラ事件を検証し、今も流れる言論弾圧の地下水脈さぐる ■60年の時間を隔てて 7月20日、「言論弾圧の水脈‐横浜事件から立川反戦ビラ弾圧へ」と題する集会が都内であった。今年春、最高裁は戦時下最大の言論弾圧事件と言われた「横浜事件」の第三次再審請求に「免訴」を言い渡し、「立川反戦ビラ事件」には上告棄却の有罪判決(罰金刑)を下した。60年という時を隔てたこの二つの事件に対する、裁判所のあまりに不誠実で理不尽な態度。この国の司法には、「言論弾圧」の地下水脈がとうとうと流れ続けているに違いない。今こそこの水脈の実層を明らかにし、楔を打ち込もうと主催者は呼びかける。猛暑にもめげず、会場の文京区民センターには約180人が集まった。 ■「言論弾圧と司法の戦争責任――そして現代」 最初に小田中聰樹さん(専修大学教授・写真下)が講演。小田中さんは「現代社会の問題の打開や解決は一人ではできな
戦後60年、憲法をめぐる論議が声高に言われるようになってきた。憲法が改正されれば自衛軍が海外で戦争行為ができるようになるという。戦争というのは国論をなにがなんでも戦争遂行にもっていこうとするから、どうしても国家総動員や言論弾圧・逮捕弾圧が行われる。そんな風潮に警鐘を鳴らすかのように、あるいはあの時代を忘れるなというかのように、治安維持法弾圧事件である「横浜事件」の再審裁判が行われている。戦前のあの時代、言論と結社と人身の自由を侵害した治安維持法が、なお問われ続けているのである。近年の日弁連のニュースでも、治安維持法による被害者の名誉回復を行っているという(日弁連人権ニュース「人権を守る」第23号)。 そんななかで、この小論で取り上げるのは、1人の弁護士、歌人である。 いつの間にか/裁判所の仕事にも、少し慣れ/木々のこずえは若葉みづみづし 被告人はさっきから/ずっと調べられ、/残暑の光/窓
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