ヒトマル戦車と「防衛事業仕分け」 2010年8月16日 「8 月ジャーナリズム」という言葉がある。8月6日に始まり15日で終わる、メディアが年に一度、平和に饒舌となる10日間のことである。お盆とも重なって、原爆・戦争関連の番組や記事が、年間で最も集中する時期である。今年の新聞には目を引く記事・連載はあまりなかったが、テレビでは NHKが質・量ともに圧倒していた 。 「証言記録 シベリア抑留」(8日) 、 「“わらわし隊”の戦争」(11日) 、 「玉砕――隠された真実」(12日) 、 「色つきの悪夢――カラーでよみがえる第二次世界大戦」(13日) がよかった。 特に「玉砕」では、大本営が意識的に「棄民」ならぬ「棄軍」を行い、アッツ島守備隊やニューギニアのブナ守備隊を切り捨て、後にそれを「玉砕」として美化していく手法を暴いたのは秀逸だった。番組では、アッツ島で死んだ2600人の将兵の写真パネル