「させていただく」症候群 2010年7月26日 内 閣支持率をはじき出す世論調査が、こんなに頻繁にやられたことがかつてあっただろうか。民主党政権下の10カ月あまり、ずいぶん「世論調査」の数字を見せられてきたように思う。鳩山内閣の急激な支持率低下。菅内閣になっての「V字回復」。そして消費税発言後の急降下。 「民意」に合わせようと、政策の迷走も始まる。佐伯啓思京大教授はいう。「われわれは『パブリック・オピニオン(公共的な意見)』と『マス・センティメント(大衆の情緒)』を区別しておかなければならない。『パブリック・オピニオン』が1、2カ月でそれほどコロコロ変わるとは思えないから、かくも短期のうちにクルクル変わる世論調査の結果は、たぶんに『マス・センティメント』と見なしておいた方がよいであろう」(「日の陰りの中で」『産経新聞』2010年7月19日1面)と。 かつてはワイドショー的視点がこの『マス・