やはり、選挙戦で消費税率の引き上げを持ち出すのはタブーだったのだろうか。いや、それだけでなく、昨年の総選挙であれだけ多くの支持を集めて誕生した民主党政権が、その期待通りの政治を実現していないことに、有権者が不満を募らせている表れではないだろうか。 11日投開票された参院選で、有権者は民主党政権に極めて厳しい審判を下した。民主党は50議席を下回って、自民党に改選第1党を譲り渡し、国民新党と合わせた与党は参院で過半数を割り込んだ。戦後初の本格的な政権交代から約10カ月。経済・財政政策や米軍普天間飛行場の移設問題など内外の課題が山積する中、続投を表明した菅直人首相は難しい政権運営を迫られる。 ◇「ねじれ」は深刻だ 菅政権は今後、連立の組み替えや政策ごとに野党との連携を図る「部分連合」を模索するとみられる。しかし、現状では野党側がこれに応じる機運はなく、国会は再び衆参がねじれて、政府提出法案が容易