ドイツの「民衆扇動罪」 「在特会」が跋扈する日本で考える 木戸衛一(大阪大学大学院国際公共政策研究科教員) I 去る12月4日、「在日特権を許さない市民の会」(「在特 会」)の一団が、京都朝鮮第一初級学校の前で、同校が公園 を不法占拠しているという言いがかりをもとに、「スパイの 子どもたち!」「朝鮮学校を日本から叩き出せ!」などと、 聞くに堪えない罵詈雑言で教員や子どもたちを恫喝・脅迫 し、器物損壊を働いた。ところが、警備の要請を受けて出動 した警察官は、彼らの妄動を放置するだけであった。 実はそのちょうど1週間前、私の所属する大学院でも、 「在特会」が騒ぐかもしれないと懸念されていた。と言うの も、韓国「ナヌムの家」からハルモニを招いて大阪・京都で 開かれた証言集会のプレイベントとして、歴史館研究員の村 山一兵氏による講演会が企画されていたからである。 前日豊中警察署から連絡を受けた研究