全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)とNTTデータは1日、10月に発生した全国銀行データ通信システム(全銀システム)の障害の発生原因や再発防止策について発表した。システム稼働以来、初めてとなる障害が発生した根底には「大規模障害は起きない」との潜在意識があったとした上で、システム人材の不足など運営体制が不十分であったことを認めた。 障害の発生原因については、一部の金融機関で全銀システムと金融機関をつなぐ中継コンピューター(RC)を更新した際、送金手数料を計算する生成プログラムにおいて、一時的に確保すべき作業領域が不足したことで、RCシステムの異常終了を招いた。プログラムの詳細設計の段階で作業領域を拡張すべきかどうかの判断を担当者が誤った。 障害発生の直後に詳細な原因を把握できず、復旧までに2日を要した。全銀ネットでは、加盟金融機関も含めた業務継続計画(BCP)の実効性が不足していたこと