夏が近づくとウキウキしてくるmikioです。昨日ついにリリースされたKyoto Cabinet 1.0について今回は報告します。 1.0の位置づけ コミュニティ毎や製品毎にバージョン番号割り当ての方針は異なるわけですが、私の個人的なポリシーでは、1.0には特別な意味があります。すなわち、0.xのバージョンはbeta版的な位置づけで、「実サービスに使うのはちょっと待った方がいいですよ」ということを意味します。一方で、1.xはstable版的な位置づけで、「よろしければ実サービスでも使ってみてください」ということを意味します。私がstable版に設定する原則を以下に列挙します。 安定稼働を至上命題とする(バグがあればその修正を最優先する) APIを変更しない(変更するとしても後方互換性を維持する) DBファイルのフォーマットを変更しない(変更するとしても後方互換性を維持する) なるべく機能追加
静かに暮らしたいmikioです。今回は、新進気鋭のDBMであるKyoto CabinetのRubyバインディングを駆使してお手軽にデータベースプログラミングを行う方法について述べます。 Kyoto Cabinetのおさらい Kyoto Cabinet(KC)は、Tokyo Cabinet(TC)に比べて、最適化された性能よりも保守性を重視したDBMの実装です。オブジェクト指向プログラミングの技法を用いて、少ないコード記述量で容易に機能追加できるように設計しています。また、実装としては、空間効率の向上と並列処理性能の向上を重視しています。以下のプレゼン資料も参考になると思います。 TCでもハッシュ表やB+木などのデータ構造を動的に切り替えて同じインターフェイスで操作するための「抽象データベース」という機構がありましたが、KCでは同じことを「多相データベース(polymorphic datab
飲み屋に行くとかなりの確率で荷物を忘れて帰るmikioです。さて、今回はここ2ヶ月ほどで急ピッチで開発した軽量データベースライブラリ「Kyoto Cabinet」について紹介します。 開発の動機 以前から軽量データベースライブラリとしてご好評いただいているTokyo Cabinetですが、DBMとして必要十分な機能と性能を備えていてなかなか良いものだと自負しております。ただ、開発を進める中でいくつか不満な点があったのも事実です。端的に言えば、全てC言語で記述して、標準ライブラリ(とzlib/bzip2)以外の機能は全て自作しているので、最適化がしやすい反面、メンテナンスの難易度が高くなってしまっているというのが不満です。 そこで、多少性能が悪くなってもいいから、私自身としてお気楽に開発およびメンテナンスができて、移植性も高いような実装を作ってみようと思い立ったのが昨年10月頃。様々な検討を
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