全国の警察が今年上半期に認知した刑法犯の件数が45万887件(暫定値)で、戦後最少のペースであることがわかった。「治安は危機的状況」と警察庁が緊急対策を打ち出した平成14年をピークに、年々減少してきた。昨年はついに100万件を割ったが、それを7・7%下回るペースだ。 ▶高橋洋一嘉悦大教授が夕刊フジのコラムで「犯罪の減少はアベノミクスの成果」と書いていた。雇用環境が改善し、失業率が低下した。職が得られれば、経済要因の犯罪も減る。まさに「衣食足りて礼節を知る」である。インバウンド(訪日外国人客)が好調なのも、日本の治安がいいのが大きな理由だろう。 ▶振り込め詐欺や、代金を受け取って商品を渡さない売り付け詐欺が増えているのは「世に盗人の種(たね)は尽きまじ」だが、街頭犯罪の減少は防犯カメラの普及が抑止力になったのは明らかだ。「監視社会になる」と声高に騒いだ人たちに、この結果をどう見るか聞いてみた