1960年にイギリスで10万羽以上の七面鳥が中毒死した事件で原因となったピーナッツミールから発見された物質。主な産生菌であるAspergillus flavusのtoxinなのでaflatoxin(略称AF)。 種類 分子構造の違いにより10種類以上の関連化合物が存在しており、AFB1が汚染頻度・汚染量・毒性において最も影響が大きい。他にAFG群、AFB群に汚染された飼料を摂取していたウシの乳より発見されたAFM群(M=milk)、微生物や動物の肝臓でAFB1が代謝されてできるAFL(aflatoxicol)がある。 急性毒性はAFB1>AFG1>AFB2>AFG2であり、発がん性はAFB1>AFL>AFM1>AFQ1>AFG1であるとされている。 産生菌 主要産生菌はAspergillus flavusとAspergillus parasiticus、Aspergillus nomius
かなり出遅れてしまった感があるがアフラトキシンについて何か書いてみる。 最近かび毒であるアフラトキシンの記事をよく見かけるのだが、Wikipediaにはこんなふうに書いてある。 アフラトキシンは地上最強の天然発癌物質とされ、その毒性はダイオキシンの10倍以上といわれる(詳細はIARC発がん性リスク一覧参照)。 他にも、名古屋検疫所のページ*1にも同様のことが書いてある。 アフラトキシンB1の毒性:ダイオキシンの10倍以上 10倍以上・・って何ぞ。詳細はIARC発がん性リスク一覧参照・・・とか書いてあってもそこにはそんなことは何も書いないので困った。Wikipediaは出典不明な記述が多すぎて困る。ダイオキシンの毒性ってAhR(aromatic hydrocarbon receptor)を介して発現する*2のだけど、種によって毒性が8000倍以上違ったりする。8000倍に比べたら10倍なんて
世界の覚書 道州制、易姓革命、外国人参政権には反対です。伝王仁墓に百済門を作るのは場違いであり、反対です。 メタミドホスの濃度は0.05ppmだったという。米や小麦の暫定基準値は0.01ppmだから、確かに超過しているには違いないが、野菜の基準は色々である。食品衛生法に基づく残留基準値:キャベツやレタスは1ppm、トマトやピーマンは2ppmなのだ(食品安全委員会>メタミドホスについて/PDF)。レタスの1/100の基準とは、要するにざくっとした暫定見積りに過ぎないことを意味する。まして、レタスだって洗ってから食用するものだが、米も研いで洗い流してから調理される。0.05ppmといった程度の濃度は、実際上、気にするようなものではないことが分かる。また焼酎の場合、米麹を作る過程だけだから、なおさらである。#日本酒についてはよく分からない。 三笠フーズは、狡猾にも、メタミドホスが揮発しやすいこと
アフラトキシンB1の構造式 アフラトキシンG1の構造式 アフラトキシンB1の球棒モデル アフラトキシン (aflatoxin , AFT) とは、カビ毒(マイコトキシン)の一種でB1、B2、G1、G2を始めとする10数種の関連物質の総称。熱帯から亜熱帯地域にかけて生息するアスペルギルス・フラブス (Aspergillus flavus) やアスペルギルス・パラシチクス などのカビにより生成され、紫外線の照射により強い蛍光を発する。蛍光はB1、B2で紫青色(B:blue)、G1、G2で黄緑色(G:green)、M1, M2で紫色を発する(M:metabolite、M1, M2はB1、B2の代謝産物)。 1960年にイギリスで七面鳥が大量死した際の分析中に発見された[1]。その際は「ターキーX(七面鳥X病)」と呼ばれていた。 人に対する急性中毒の例として、1974年にインドで肝炎のために106
はじめに一言。このエントリーは詭弁である。アフラトキシンががんに効くわけがない。そのことを踏まえて読んで欲しい。 事故米を食用に転用した米販売業者が厳しく批判されている。当然だと思う。国民の健康を金に換えてどうするんだという思いが湧いてくる。このような会社は社会的制裁を受けるべきだと言うのが私の意見。 さて、2ちゃんねるでは以下のような批判がされているようだ。 63 名前:名無しさん@九周年[] 投稿日:2008/09/08(月) 12:21:42 id:iictaJAz0 肝臓がん患者は事故米が流通し始めた10年前から 西日本を中心に爆発的に増加中です。 痛いニュース(ノ∀`) : 「企業努力とテクニックで」 有害米、なんと正規米にも混ぜて出荷…三笠フーズ - ライブドアブログ そして、この下に「肝臓がん患者の推移の資料図」が掲載されており、その資料をみる限りでは、確かにアフラトキシン米
「肝臓がん患者は事故米が流通し始めた10年前から西日本を中心に爆発的に増加中」という指摘がある。■「企業努力とテクニックで」 有害米、なんと正規米にも混ぜて出荷…三笠フーズ*1(痛いニュース(ノ∀`))の63より引用。 肝臓がん患者の推移の資料図 [f:id:NATROM:20121129123718j:image][f:id:NATROM:20080909110446j:image] 自然界における 「最強の発がん性物質」 アフラトキシンB1 (0.0015ppm = 10億グラム中に1.5グラムの濃度で、 100%発癌 ) ^^^^^^^^ に汚染された毒米が *10年以上に渡って* 食用として転売されていました。 資料図そのものは、国立がんセンター対策情報センターによる。一部の人は、肝臓癌の死亡が西日本で多いこと、肝臓癌の死亡数が1995年で不自然に上昇していることを不安に思ったよう
日本の肝細胞癌の主な原因がC型肝炎ウイルスであること、C型肝炎ウイルスの感染率が西高東低のパターンを取ることを知っていれば、「肝臓がん患者は事故米が流通し始めた10年前から西日本を中心に爆発的に増加中」という主張がデマであることはすぐにわかる。これは前回のエントリー、■有害米と肝臓癌死亡数の増加は無関係で指摘した通りである。日本のアフラトキシンB1(以降単にアフラトキシンとする)の基準値が10 ppbで、事故米のアフラトキシン濃度が20 ppb(=0.02 ppm)だと言うから、その程度でこれほど広範囲の健康障害が生じるわけがないと常識的にも判断できる。 ただ、がん死亡率のグラフで見えるほどの影響はないとしても、事故米中のアフラトキシンによる肝癌発症はありうるのではないかと考えた。アフラトキシンがヒトの肝癌発症のリスクとなるのはれっきとした事実である。アフラトキシンの発癌性に、閾値すなわち
9/13 解説記事を全面改訂し、大幅にデータ・出典を充実させました。図に掲載したデータ以外にも多数のデータを掲載したので参考にしてください。 9/16 「その他の論点」として、「アフラトキシンの毒性の評価」以外に、事故米中のアフラトキシンの偏りなど、関連する論点を取り上げました。 三笠フーズの汚染米騒動でアフラトキシンの毒性が話題です。動物実験でアフラトキシンが実験動物の100%に肝臓がんを引き起こすという実験データが話題になり、ここから、「100%肝臓がん」という言葉が一人歩きしている面もあるからです。 では、アフラトキシンはどのくらいの濃度でどのくらいの毒性をもたらすのでしょうか?ネット上で手に入るリソースをもとに、アフラトキシンの毒性を検討してみました。実は、この記事を書くに当たって、「どうせそんな毒性があるわけないだろう」という先入観を持って調べたのですが、実際に調べたみたら、解釈
昨日の続きです。昨日、マスコミはより問題のある物質を見過ごしていると書きました。その物質こそアフラトキシンB1です。 アフラトキシンB1は、カビ毒の一種であり主にナッツや飼料から検出されます。また、日本での規制値は全ての食品に対し10μg/kgです。また、耐容摂取量は設定されていません。厳密には異なるものですが、メタミドホスの一日摂取許容量は 0.004 mg/kg体重/日 でした。耐容摂取量が設定されていないということは、つまり摂取する量はこのぐらい間ではいいよという量を設定できない(少なければ少ないほどよい)ということです。参考 アフラトキシンB1について(東京都) だから、純粋に物質の危険性ということだけで判断するのであれば、マスコミ各社は見出しにはメタミドホスではなくアフラトキシンB1を取り上げるべきでした。 しかし、おそらくメタミドホスもアフラトキシンB1も今回の件で私たちの健康
9月13 汚染米事件のこと カテゴリ:化学物質 三笠フーズによる汚染米事件が世間を揺るがしています。下のエントリで書いたようにパソコンが入院中で、テレビが見られなくなっていたためあまりよく事情を把握していなかったのですが、ネットでざっとチェックする限りでは、例によって報道のあり方に疑問が感じられます。 事件を起こした三笠フーズの体質、チェックが甘かった農水省の責任は問われるべきで、これは議論の余地がありません。太田農水相の言うとおり「健康に影響はない」としても、基準を満たさない米を食用に回し、隠蔽工作を行っていたのは悪質極まりなく、社会的責任を追及されてしかるべきでしょう。 で、実際問題として我々にどの程度のリスクがあるのか――とここが一番の関心事であるはずなのですが、どうもここの報道がおかしいように感じます。マスコミ報道では1月の毒餃子事件で印象に植え付けられた「メタミドホス」が一番大き
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